プロフィール
| 生まれ |
1971年 |
| 子供の頃の夢 |
科学者、起業家(社長業) |
| クラブ活動(中学校) |
空手部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
千葉県 |
| 仕事内容 |
レジのプログラムを開発する |
| 自己紹介 |
|
※このページに書いてある内容は取材日(2006年04月05日)時点のものです
仕事人記事
お金や商品の管理は、とても複雑なコンピュータが行っています

スーパーで買い物をするときは必ずレジでお金を払いますね。スーパーの人がお菓子を機械にかざすと、ピッと鳴って、金額が出てくる。そして僕たちはお金を払って、レシート(領収書)とおつりをもらいます。スーパーの人が使っているあの機械をレジスター(レジ)、そしてスーパーのお金や商品の管理などをしているしくみ全体を、POS(ポス)システムと呼びます。そう、コンピュータのなかまです。その多くは、授業で使うパソコンと同じようなもので動いているんです。

POSシステムは、たくさんのコンピュータがつながっていて、スーパーを運営するのに必要となる、さまざまなデータをやりとりしているしくみです。たとえばみなさんがお菓子を買う時。スーパーの人がお菓子をレジにかざすと、ピッと鳴って、レジは別のコンピュータに金額を調べにいきます。コンピュータの中には、その日売っている全部の商品の金額が入っています。たとえば、定価300円で売っているお菓子が、「本日のセール」で150円になったりすることがありますよね。間違えて300円で売ってしまわないように、毎日変化する商品の金額もきちんとコンピュータに入っているんです。コンピュータは、正しい商品の金額を取り出してレジへ伝えます。するとみなさんの目の前に金額が出てくる。レジが金額を出しているように見えるけど、実はものすごい速さで、別のコンピュータに金額を出すための情報を取りにいっているんです。

コンピュータには、そのほかにもスーパーにある商品に関わる、さまざまな情報が入っています。商品が今いくつあって、いくらで売っているのか。何時から安売りをするのか。どの商品が今日は何個売れたのか。どんな人たちが買ったのか。男性? 女性?何歳くらいの人?などなど。スーパーの人たちは、このコンピュータの情報を見て、明日はバナナをいくつ仕入れようとか、あのお菓子は売れているから、たくさん仕入れよう、などと考えているんです。
僕はこのPOSシステムのしくみを作っています。お店の人がほしい情報を集めるにコンピュータをどう使えばいいかを考えます。お客さんの動き方や情報の流れ方をエンジニアのなかまたちと話し合いながら、設計図を描いて、プログラムを組みます。僕が考えて組んだプログラムでコンピュータやレジの機械が動く。それはまるでロボットのよう。その姿を見ると、すごくうれしいし、感動です。僕がこれまで作ったPOSシステムは全国のいろんなお店で使われています。レジでお金を払うとき、あっ、僕の作ったヤツ! なことがよくあります。
コンピュータはとても複雑ですから、実際に使われる前に、正しく動いているか、何度もテストを繰り返します。そのテストで昔、僕は大失敗をしたことがあります。日本で初めて、POSシステムとお金を数えて出し入れできる機械を合体させたしくみを作っていた時のことです。お札を計算する機械をテストしようと、ほんもののお札、百万円ぐらいを機械に入れて、スイッチオン。ところが数えるはずの機械が、お札を次から次へとちぎっていく! うわぁと、あわててスイッチを切っても、すぐには止まってくれず、ほとんどのお札は紙くずに。目の前でちぎれていく姿を見て、僕は叫んでいたようです。でもご安心を。そのちぎれたお金は銀行にもっていって、きちんと新しいものに交換してもらいましたし(銀行の人に怒られちゃいましたけどね)、テストをしたおかげで実際に使われるときにはきちんと動くようになりました。

僕が作ったPOSシステムが明日からなくなったら、お店の人は、いくつ商品が残っているのか、いくつ商品を仕入れればいいのか、わからなくなってしまいます。すると売れている商品はすぐになくなり、お店に行っても買えなくなってしまいます。また、売れ残った商品はずっと置かれたままで古くなってしまい、新鮮な野菜や魚、肉がなかなか買えなくなってしまいます。今、みなさんがお店に行くと、欲しいものが新鮮な状態で手に入るのは、POSシステムが絶え間なく動いていることが、理由のひとつでもあるんです。
コンピュータは小学生から触っていましたね。僕らが小学生のころのコンピュータはスイッチを入れただけじゃ動かない。プログラムを作ることで、ゲームそのものを作ってからゲーム開始!僕はお店のコンピュータを触らせてもらい、ゲームを作っていました。ゲームが動くと、お客さんも集まるでしょ。だからお店の人も触らせてくれたんです。高校までずっとコンピュータが好きで、このころに自然と身についた技術が、今の僕にものすごく役立っています。でも、子供のころはコンピュータの仕事をしようと思っていませんでした。

コンピュータがずっと好きだったけど、高校2年生のときに転機がおとずれました。「ファインマン物理学」という本と出会い、感動してしまったんです。なぜ熱いスープはふーふーすると冷めるのか、そんな自然のしくみが書いてありました。自然ってスゴイ。もっともっとこのしくみを知りたい。そう思って、大学では物理学を学ぼう! と親に黙って受験をしました。親は僕がお医者さんになるものだと思っていたから、バレたときには怒られましたけどね。大学卒業後も、そのまま勉強を続けて物理学者になろうと思っていました。でも、親にお金を出してもらって勉強を続けるのはカッコわるいし、好きなことをやるのに、迷惑をかけちゃいけないと思って、大学卒業の後は会社に入ることに決めました。そしてまた、コンピュータに戻ったのです。
僕はコンピュータが好きな小学生だったけど、外でもたくさん遊びました。セミ採り、カエル採り、水たまりでザリガニ釣り。何もない公園でもコオリオニ、缶けり、馬とびなど、遊びは自分たちで考えましたね。みなさんも作られたゲームをやるばっかりじゃつまらないでしょ。友だちと一緒に遊びやゲームを作ってみてはいかがでしょう。遊びを作るということは、才能をみがくこととおなじ。自分のあたまで考えるから、いろんな発見ができるし、あたまの中で電気がついたように、ひらめくことがあるんですよ。僕は大人になった今も、お昼休みついでに外を歩き、いつもは気づかない小さな発見を楽しんでいます。毎日が小さな冒険ですね。みなさんも好きなことを探すつもりで外に出て、遊びを作ってみてはいかがでしょう。必ず発見がありますよ。
取材・原稿作成:あしたねスタッフ
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