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荒井 英治
ソロ・コンサートマスター
あらい えいじ
荒井 英治

プロフィール

生まれ 1957年
子供の頃の夢 音楽家だったらなんでもいい 
クラブ活動(中学校) 社会部 
働いている地域 東京都 出身地 東京都
仕事内容 オーケストラをまとめ、演奏する
自己紹介 几帳面(きちょうめん)で楽天的。人に気を使いたがるも結局はマイペース。負(ま)けず嫌(ぎら)い。ぬいぐるみが好き。映画鑑賞(えいがかんしょう)。 

※このページに書いてある内容は取材日(2008年04月15日)時点のものです

仕事人記事

オーケストラのまとめ役!

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ぼくは東京フィルハーモニー交響こうきょう楽団がくだんというオーケストラのソロ・コンサートマスターをしています。オーケストラの前で、指揮棒しきぼうっている指揮者しきしゃは音楽の演出家えんしゅつか。同じ曲でも、指揮者しきしゃがその曲をどう表現ひょうげんしたいかによって曲のイメージやテンポなんかが変わるんだ。ぼく達の東京フィルハーモニー交響こうきょう楽団がくだんにも、いろいろな指揮者しきしゃが来るんだけど、オーケストラのメンバーがそれぞれの感覚で指揮者しきしゃ表現ひょうげん理解りかいしようとすると、演奏えんそうがバラバラになってしまう。そこでぼくの出番。指揮者しきしゃの一番の協力者として、メンバ-全員の息がぴったり合うようにと考えながら、身体の動きを使ってまとめていくんだ。一言で言うと、コンサートマスターとは、オーケストラをまとめる「リーダー」ってことになるかな。

 

「空気が読める」ことが大事

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具体的な仕事の内容ないようとしては、最初は楽譜がくふ読み。ヴァイオリンを例に取ってみると、例えば演奏えんそうする時の弓の上げ下げ(ボーイング)なんかも決めておく。楽譜がくふには弓をどう動かすかまで書いてないことがほとんどなんだ。ヴァイオリンの弓を上げてくか下げてくかによって音の出方って変わるし、オーケストラで弓の動きがみんなバラバラだったら格好かっこう悪いでしょ?あとは、同じ旋律せんりつでも、哀愁あいしゅうめてくのか、はげしくくのか…とか、そういうこともみんなの意見を合わせておく。指揮者しきしゃが何をぼく達に求めているのかを察知する能力のうりょくも大切だね。今風に言うと「KY(空気が読めない)」じゃいけないってことかな。指揮者しきしゃの人は練習中にずっと一緒いっしょってわけじゃない。それに、ハッキリとした動きで指揮棒しきぼうるんじゃなくて、イメージで指揮棒しきぼう指揮者しきしゃの人もいるんだ。だから、コンサートマスターであるぼくが「この指揮者しきしゃの人はこの曲をどういう風に表現ひょうげんしたいのかな」ってことを敏感びんかんって、みんなに指示しじする必要があるんだ。

 

とにかくニコニコ

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ぼく達はプロだから、コンサートで失敗はゆるされない。いつも緊張感きんちょうかんがあるし、指揮者しきしゃの人によってはぼく達のイメージと全然ちが表現ひょうげんを求められることもあったり、他にも、もらった楽譜がくふ間違まちがいだらけなんてこともある。だから、時にはオーケストラのメンバーの士気がなんとなく上がらないこともある。でもそんなとき、ぼく一緒いっしょになってどんよりしてたらダメだよね。で、どうするかっていうと…「とにかくいつも笑う!」。ハハハ。でもほんとなんだ。ぼくが「大丈夫だいじょうぶ、なんとかなるさ」って楽観的にドーンとかまえることで、みんなの緊張きんちょうも少しずつほぐれていくんだよ。

 

自分達の音楽として

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みんなをまとめるだけではなくて、ヴァイオリンの第一奏者そうしゃとして演奏えんそうすることもぼくの仕事。指揮者しきしゃの人がその曲をどう表現ひょうげんしたいのかを”理解りかいしながら”、くんだ。それは、指揮者しきしゃの人と同じ気持ちになって、”自分達の音楽としてく”という感覚。それくらいにまで集中して演奏えんそうすると、自分の演奏えんそうも、メンバーの演奏えんそうもすべてのことに自然と意識いしきがいきわたる。だから、オーケストラをまとめることと、自分が演奏えんそうすることは、別々べつべつのことではなくてひとつのことなんだ。

 

毎日いている

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ぼく達は定期演奏会えんそうかいやオペラ公演こうえんでのオーケストラ演奏えんそうなどに出るので、普通ふつうのサラリーマンの人のように、月~金で働いて土日が休みという決まったスケジュールじゃない。もちろん、練習もあるわけだけど、みんなと練習する前には、前もって自分の練習しておく必要もあるよね。だから、休みの日があっても、なんだかんだ言ってヴァイオリンをいている。つまり、毎日いているわけなので、そういう意味では仕事と休みの区別があまりないかもしれない。それくらいに、音楽のことが好きってことでもあるね。

 

一度味わったらわすれられない、すばらしい感情かんじょう

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ぼく達オーケストラの演奏えんそうは、生のもの。一度だって同じものはできない。そのホールの雰囲気ふんいき、お客さんの熱気、期待、拍手はくしゅ…いろんな要素ようそが組み合わさって、オーケストラのみんなが「今」という時間を共有しながら、ひとつの演奏えんそうつくげる。スポーツとちがって勝ち負けはないけど、ある一定のわくの中で、ひとつの頂上ちょうじょうに向かってみなで力を合わせて達成したときの充実感じゅうじつかんや達成感、高揚こうようした気持ちというのは、ほんとうに得がたい感情かんじょうなんだ。一度味わったらわすれられない、すばらしい感情かんじょう。その演奏えんそうをするまでの道のりが苦しければ苦しいほど、その感情かんじょうは熱いものになる。その感情かんじょうを次も味わいたくて、ぼく演奏えんそうをし続けているのかもしれない。

 

とにかく「音楽家になる」

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ぼくは音楽一家に生まれたわけでもなかったけど、4、5さいころ、兄がかなくなったオルガンが家にあって、とても興味きょうみを持った。そして、家にあった蓄音機ちくおんきかたぱしからレコードをかけてはいていたらしい。夜中に突然とつぜん起きだして、こたつにくるまりながらき始めることもあったぐらいに音楽が好きな子どもだったんだ。だから、小学生のときには、何をく、どんな音楽家かまでは決めてなかったけど、とにかく「音楽家になる」って決めてたんだ。

 

好きなものにめば、きっと道ができる

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ぼくが小学校4年で音楽クラブに入って、出会ったのがヴァイオリン。それ以来、ヴァイオリンの魅力みりょくにはまってしまって、好きで好きでしょうがなくなった。そして、小学校6年生ぐらいからちゃんと練習し始めた。ぼくは、ソロのヴァイオリニストとしても活動しているんだけど、小学校6年生からというのは一般いっぱん的な考え方からするとおそいスタートなのかもしれない。でも、物心がつく前からくことを始めても、大きくなるうちにそれが苦痛くつうになってしまったら意味がない。プロのギタリストとか、管楽器の奏者そうしゃには、高校生ぐらいで初めて楽器を持ったって人も大勢たいせいいる。これって、好きなら上手になれるということじゃないかな。だから、好きになったときが始めどき。好きなものに一生懸命いっしょうけんめいめば、きっと道ができると思うんだ。

 

取材・原稿作成:あしたね取材チーム

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