プロフィール
| 生まれ |
1963年 |
| 子供の頃の夢 |
パイロット |
| クラブ活動(中学校) |
ブラスバンド部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
福岡県 |
| 仕事内容 |
楽器の設置など会場準備を行う |
| 自己紹介 |
好奇心(こうきしん)が強いが飽(あ)きっぽい。キチンとしている様でテキトー。食べる事、料理するのも好き。 |
※このページに書いてある内容は取材日(2008年04月10日)時点のものです
仕事人記事
良い演奏と気持ちいいコンサートのために準備する仕事

コンサートやテレビ・ラジオの番組などで、クラシック音楽を演奏するオーケストラ。私の仕事である「ステージマネージャー」は、そのオーケストラが良い演奏ができるように、またコンサートに来ていただいたお客様が気持ちよく音楽を聴けるように、いろいろな準備をする仕事です。
私の「セッティング」がオーケストラの音を決める

ステージマネージャーは、たくさんの仕事をします。まず、リハーサル(コンサートの前に行われる練習)の前に、そのコンサートで使う楽器などそろえます。そして、どうすれば良い演奏ができるかを考えながら、演奏する人の座るイスや楽譜を置く譜面台の場所を決めます。これを「セッティング」といいます。セッティングはとても大切な仕事です。演奏する人は、指揮者の「こんな音にしたい」という指揮を見ながら、自分や他の人の演奏を聞き、その場で音の大きさや音色を変えて全員で音楽をつくり出していきます。セッティングがいい加減だと、自分や他の人の演奏する音がよく聞こえず、良い演奏ができません。自分やまわりの演奏がよく聞こえるように、でも、となりの人とぶつかったりしないように気をつけながらセッティングをします。「この人は、いつも譜面台から離れて楽器を弾くな」とか、演奏する人一人ひとりのクセまで考えて、楽器や譜面台の位置を細かく変えるんですよ。そして、リハーサルが始まればオーケストラが演奏に集中できるように、リハーサル前に完ぺきにセッティングを終わらせます。リハーサル中は、決められた時間にきちんと終わるように、練習時間を管理したりします。
その日の天気でコンサート会場の温度や湿度を変える

仕事はこれでだけじゃありません。コンサートが始まる前には、会場に楽器を運び、リハーサル通りにセッティングします。そして、楽器が一番いい音が出るように、またお客様も集中して気持ちよく聴けるように、エアコンや照明の調整も行います。オーケストラで使う楽器は、湿気や温度に敏感です。だから、会場の外の天気なども考えながら、その都度変えるんですよ。コンサートが始まるときは、楽屋から指揮者や演奏する人たちを舞台に送り出します。そして、コンサートが終わったら、演奏者の楽器を、何人かで手分けしながら運びます。全員で80名にもなるオーケストラの楽器を、すべてトラックに積み込むんですよ。
責任者としてトラブルを解決していく苦労

ステージマネージャーは、リハーサルがうまくいくように、そして、コンサートが無事に終わるようにするための責任者です。でも、リハーサルの時間が予定より長引いてしまったり、コンサート会場の設備が考えていたものと違っていたり、コンサート中に急病人が出たりと、この仕事にはトラブルがつきものです。本番まで後戻りできない中で、その場で判断しながら私が責任をもってトラブルを解決していきます。とても責任は重いし、苦労は絶えません。
音楽が生まれる「現場」にいられる喜びは大きい

この仕事は、オーケストラやお客様の一番近くにいることができます。だから、「今日の音はすごくいい!」とか「お客様の拍手が大きい。感動している!」なんてことを直に感じることができるんです。また、演奏が終わったときにオーケストラを楽屋に迎えるのも私の役目です。だから、世界的な指揮者が、「今日はすごい、やった!」なんて子どものように興奮しているのを目の当たりにします。そういう姿を見ると、私まで楽しくなってしまいますね。私の仕事場であるリハーサルやコンサートの現場は、音楽がその場でつくられ、それがお客様に伝わり、演奏した人もお客様も喜びを味わう「現場」でもあります。そこに居合わせることができる喜びは、何ものにも変えられません。

仕事をする上でいつも考えているのは、「音楽を大切にする」ということ。トラブルをどう解決するか考えるときも、「それで良い音楽ができて、演奏する人や聴く人は喜ぶかな?」と真っ先に考えます。トラブルを解決するのはもちろん大事ですが、なんといっても、良い音楽を演奏し、お客さんに喜んでもらうのが、私たちの目標ですから。また、演奏する人は、すごく音楽が好きで大事にしている人たちです。そういう人たちに「あのステージマネージャーが準備してくれたから、どんな会場でも良い演奏ができる」と信頼されなければ、良い音楽は生まれません。だから、私も演奏する人たちに負けないくらい音楽を大事にしているんです。

私の両親が音楽好きということもあって、私は、小さい頃から音楽教室に通っていました。学生時代はブラスバンドに所属、大学時代はアマチュアのオーケストラでホルンを担当しました。楽器演奏のプロになれる腕前はなかったけれど、「音楽のそばで仕事がしたい」とずっと思っていました。で、大学時代、オーケストラの楽器を運んで並べる、今の仕事のお手伝いのようなアルバイトをやったんです。そのとき、自分が楽器の位置を変えたりすることで、音が変わるのを経験しました。それが面白くてね!この仕事をやろうと思いました。
「自分はこれが絶対大事」というものを見つけてほしい

私は、「音楽のそばにいたい」という思いを持っていたからこそ、オーケストラの演奏家になる道とは別の今の仕事に出会えました。その結果、今はとても音楽の近くにいる仕事ができています。だから、みなさんにも、「自分はこれを絶対に大事にするんだ!」というものを見つけてほしいですね。そうすれば、私のように、「一番いい道を選んだな」って心から思える仕事に出会えると思います。
取材・原稿作成:あしたね取材チーム
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