
| 生まれ |
1965年 |
| 子供の頃の夢 |
建築士、漫画家 |
| クラブ活動(中学校) |
剣道部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
東京都 |
| 仕事内容 |
デザインを考え、形にする |
| 自己紹介 |
自分で面白いと思うことや興味があると思うことは休みの日も関係なくずっとできる集中力がある。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2008年04月16日)時点のものです


僕の仕事は、あるモノが持つ良さを見つけて、その良さを形にして社会に送り出すことです。僕が今までに社会に送り出したモノには、携帯電話などの様々な製品の他、会社や大学のロゴ、病院や幼稚園の建物などがあります。人が自分自身の長所や短所を認識することが意外と難しいように、会社の中の人には、会社の外側から見た自分の会社の良さがなかなか分からない。だから僕は、会社の人とも話をし、また、会社の外からも会社のことを見て、その会社が持つ本当の価値を見つけ出す。見つけたら今度は、その価値が多くの人に効率的に伝わるようなデザインを考える。そして、そのデザインを形にしていきます。

デザインを依頼されたら、まずデザインの対象となるモノについて、一人で考えて自分なりのイメージを持ちます。それから依頼主と話しをします。さらに、デザインの対象が僕にとって馴染みがないモノの場合には、そのモノについて時間をかけて勉強します。例えば、以前幼稚園を作った時には、その幼稚園に何度も通い、園長先生と話したり、子どもたちの様子を半日くらいずっと見たりもしました。他にも全国の幼稚園を10園くらいも見て回りました。そうしているうちに、こうしたらいいんじゃないか、というようなデザインのアイディアが湧いてきます。それから、具体的なデザインを決めていきます。好みも生活も違う多くの人が共通でいいと思うようなデザインを、これまでに湧いてきた様々なアイディアを元にして見つけ出していくのです。
思い描いたイメージを正確に形にする

僕は、頭の中に浮かんできたアイディアを絵に描いて表現していきます。商品のロゴなどは、こういうものを作ろう!と決まったら、パソコンを使って線のわずかな角度や色の配色まで、少しずつちがう見本を大量に作ったりしながら、思い描いたイメージを正確にデザインとして表現していきます。また、パソコンの中だけでは形にできないモノの場合には、建物の場合は建築家、携帯電話の場合は電気機器メーカの人など、その道の専門家の人に僕が思い描いたイメージを伝えて、その人たちに形をつくってもらいます。この段階での僕の仕事は、野球やサッカーの監督みたいなものですね。ミリ単位のとても細かいことにも目を配りますし、思い描いたイメージからずれていないかという大きなことも確認していきます。「部分」と「全体」の両方を見ることが必要なのです。

僕は、僕の関わった製品を受け取った人たちの気持ちが前向きになるようなことをやりたいと思っています。デザインはある種の「驚き」がないと人には伝わらないものです。「かわいい」「かっこいい」という印象は、今までになかったという「驚き」だと思うんです。その「驚き」が人の気持ちをウキウキしたものにするんですね。だから、人を嫌な気持ちにさせるような方法で驚かすことはやりません。人をポジティブにできるような「驚き」をいつも考えているんです。

時間をかけながら多くの人がいいと思うデザインを見つけ出すことができた時にはやはり達成感があります。自分だけでなく一緒に仕事をしている人たちも同じように「それはいける!」と感じてもらえた瞬間もいいですね。また、形のないアイディアが、実際に立体になったり空間になったりと形になり始めた時は、おぉ~!って思います。この感覚がないとデザインが成功しているとは言えないですね。でも、まだこの時は形になる途中の段階なので、同時にもっと良くならないかという改善点も探しているんですよ。もちろん、出来上がったモノが世の中に出て、多くの人がその製品を買ってくれたり、ブログで話題にされていることを耳にするのも嬉しいです。僕がいいと思ったものが人を喜ばせたということですからね。

子どもの頃から絵を描くのが大好きで、真っ白い紙を見るとわくわくしました。何もない白い紙に絵を描くということは、そこに新しい世界を創り出すということ。頼まれてもいないのにどんどん絵を描いていました。それがいい練習になり、絵が得意になり、ごく自然な流れで美術大学に入って、そのままデザイナーの仕事に就きました。「絵」という平面には、何の制限もなく自由に新しい世界を生み出すことができます。それがずっと魅力的でした。今でも白い紙を見るとわくわくします。だから僕の仕事は今も絵が基本。立体は作ろうと思っても物理的に不可能なことが出てきてしまいますが、平面は自由。表現できる可能性は無限。だから僕のデザインは自由に何でもできるんだと思います。
誰かを喜ばせることが描き続けるエネルギー

子どもの頃は絵をたくさん描いていましたし、毎日外でも遊んでいました。大人しいというより、むしろエネルギッシュな子どもでした。夜遅くまで起きて絵を描いたり、休みの日に1人でお弁当を持って出かけ、大人にまじって写生をしたりしていました。また小学3、4年生くらいになると漫画のキャラクターを上手に描けるようになっていて、友達に頼まれて、みんなのノートにそのキャラクターを描いたりなんかしていました。行列ができるくらいだったので、自分がやっていることが喜ばれている!と感じていたのでしょうね。上手くできていても誰にも喜んでもらえなかったら、つまらなくなって絵を描くことをやめていたかもしれません。

自分で、自分の良さを見つけるのはとても難しいことです。だからこそ自分でじっくりと考えてほしいです。同じ人間は二人と存在しないわけですから、その人にしかない独特なものが最初からあるはず。「良さ」を探すのが難しすぎれば、自分は何が好きで、どこがいいところなんだろうと考えてみてください。パッとは見つからないと思いますが、ちょっとでも見つかると楽しいですよ。
取材・原稿作成:あしたね取材チーム