
| 生まれ |
1940年 |
| 子供の頃の夢 |
運転士(バス) |
| クラブ活動(中学校) |
野球部、サッカー部 |
| 働いている地域 |
愛媛県 |
出身地 |
愛媛県 |
| 仕事内容 |
和菓子を作り、和菓子店を経営する |
| 自己紹介 |
小さい頃は活発的な子どもだった。読書をしたり、俳句を作る事が好き。近頃では身体を動かすことを意識して歩いたり、バットの素振りをしたりしている。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2008年08月23日)時点のものです


私の仕事はお菓子を作って、お店で売ることです。お菓子はお米や小麦粉、小豆などの自然の素材を加工して作ります。粉ひとつにしてもたくさんの種類があり、値段も安いものから高いものまで幅広くあります。だから、まず素材を見分けることが一番大切です。最高の素材を使って、その素材が持っている良いところを引き出してやることが私の仕事です。年に1回地区の菓子組合で勉強会を行い、技術を伝承しあうこともしています。お店の仕事以外に、地域に恩返しをしたいという気持ちで、中学生の職場体験実習や和菓子作り教室の講師なども引き受けています。

9月のお彼岸頃から5月の連休明けくらいまでが忙しい時期で、特に12月は1日も休みがないくらい忙しいです。夏は比較的落ち着いていますが、お盆の時期頃は忙しいです。仕事の時間はその日の注文によって決まってきます。お客様から注文を受けた商品を指定の時刻までに作らなければなりません。そのため、注文が多いと朝早くから作業をすることもあるし、夜遅くまでかかることもあります。普段は、柏餅や上用まんじゅうなどの蒸しものを作る日と、焼きものを作る日などが順番になるようにしています。店の営業時間は朝8時くらいから夜7時までです。一日中立ち仕事で、食事の時くらいしか座れません。
和菓子職人は一人前になるまで10年かかる

注文を受けた場合は、納期(約束した時刻)に間に合わせなければならないので、時間的なゆとりがあまりありません。注文が多くなるとお店の商品がなかなか作れず、お店の商品を作る計画が後にずれ込むこともあります。その場合は売れ筋の商品から優先して作っていきます。また、お菓子によって原材料がみんな違うので、それを見分ける目を養うまでに苦労しました。和菓子作りは一人前になるのに10年かかるといわれています。

お客さんが喜んでくれることが一番嬉しいです。よい材料を使うと、どうしても値段も上がってしまいます。でもここに来てくださるお客さんは、みんな良さを分かってくれた上で買ってくれる方が多いです。そんな「いいものを作ってほしい」というお客様の声に応えたいと思っています。あと、毎日お菓子を作っていて、大体は思った通りのものが出来るのですが、時に自分の思った以上によいものが出来るときがあります。そういう時はとても嬉しく感じます。やはり、形のないものからあるものへと変えていく、ものづくりの仕事は楽しいものです。

まずは衛生面が一番です。手洗いに始まり、手洗いに終わる。お菓子はお客さんの口に入るものですから、安心・安全が基本です。そのためには職場は清潔に保ち、掃除もきちんとしなければなりません。そして、お客様と約束した時間どおりにお菓子のお届けを間に合わせることも大切です。どんなにいいものをつくっても、約束した時刻に間に合わなければお客さんに喜んでいただけません。また、和菓子は季節感をとても大事にしています。お客さんにはまず目で見て楽しんでいただいて、次に味わっていただきます。例えば、春にはまだみずみずしい緑色をしていたもみじの葉が、秋になってだんだん紅葉していく様子を、夏の終わり頃になるとあんこの色に緑と茜色を混ぜることで表現しています。そして夏には、水分の多い水羊羹やくずきりなど、のどごしがすっきりしたようなものを作ります。

はじめは教師になろうかなと考えていました。しかし当時お菓子屋がブームになり、これならやっていけると思い、6年間修行を積みました。あんまり器用な方ではなかったのですが、1年すると少しずつ作れるようになり、それからだんだんといろんな技術を身に付けていきました。28歳で地元に戻り、この店を開業してから40周年を迎えることができました。今まで続けられたのは、自分の性格にものづくりがぴったりあったからだと思います。
外で遊び、家では手伝い、勉強は効率よく

私は戦前生まれで、物の無い時代に育ちました。そういう時期に生まれたので、ものづくりの仕事に関わったようにも思います。子どもの頃はメンコ・ビー玉・たこあげなどをし、外を駆け回っていました。家の手伝いもよくしました。当時の子どもたちは家の手伝いをすることが当たり前でした。学校の授業をよく聞いて、家では時間を決めて、短時間で集中して勉強をしていました。小学校の頃からお菓子屋さんの友達がいて、よく遊びに行っていました。また、高校生の頃にお菓子屋さんでアルバイトをしていたので、小さいころからずっとお菓子とのかかわりがあったように思います。

小学校の時は友達とたくさん遊びましょう。勉強は授業と宿題で充分。家でゲームをするよりも、外で友達と一緒に体を動かして遊んでほしい。友達とのコミュニケーションをとることも大切なことだし、体を動かすことが必要です。今の時期は、美しいものや優れたもの、いろんなものに接して感動したり、情感豊かな心を養ったりしてほしいと思います。
取材・原稿作成:株式会社西条産業情報支援センター 伊藤・三浦