
| 生まれ |
1977年 |
| 子供の頃の夢 |
保育士、教師 |
| クラブ活動(中学校) |
器械体操部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
新潟県 |
| 仕事内容 |
ケガや病気の人を看護する |
| 自己紹介 |
几帳面 (きちょうめん)なA型性格で、頑固(がんこ)なところもあります。一度思(おも)い込(こ)むとどんどん突(つ)き進(すす)んでしまいます。けれどのんびりやなところもあってうっかりミスをして反省することが多いです。人と話すことが好きです。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2006年10月24日)時点のものです


看護師というと「病院」をイメージしませんか?確かに病院で働く人は多くて、僕も大学病院で働く看護師です。でも実は看護師は病院だけではなく、区役所や保健所などの役場や、普通の会社でも働いていたり、患者さんの家に訪問する働き方をしている人もいるんですよ。僕の仕事は、病気やケガの人がその病気やケガを治したり、病気やケガと一緒に生活していけるように一番良い環境をつくることです。病院の中で働いている医師や薬剤師、看護助手という職業の人も仕事の目的は同じなのですが、その中でも看護師は患者さんやご家族の生の声を聞く機会がすごく多いのが特徴です。なので、その声や表情から患者さんに今何が必要かを考え、医師など他の医療者と話し合い、患者さんにいい環境を提供していくことが僕たち看護師の役割のひとつなんです。
患者さんの治療方法を決めるのは医師ですが、看護師は患者さんが薬を飲めるようにお手伝いしたり、注射を打ったり、検査や手術の準備をしたりします。薬を飲むのを手伝うなんてすごく簡単そうに思えるかもしれませんが、患者さんに薬を渡すだけというわけにはいきません。患者さんの中には、薬を飲み込むことができない人もいます。また、医師が出した薬が患者さんに合わないこともあります。そういう時は、患者さんが薬を正しく飲めるようにお手伝いしたり、医師と患者さんに合う薬について話し合うこともあります。検査や手術の時は、事前に飲む薬を準備して患者さんに飲ませたり、点滴をしたり、検査や手術前にはご飯を食べてはいけない場合には、患者さんが飲食をしないように指導したり、検査着に着替えさせたりします。検査や手術の前に、医師から患者さんに説明があるのですが、医師の説明がよく分からずとても不安がっている人もいるので、よく話を聞いて説明をして患者さんの不安を取り除きます。不安が大きすぎる場合はもう一度医師に説明をしてもらうようにすることもあるんですよ。

入院している患者さんは24時間診ていないといけないので、看護師は夜中も働きます。でも、毎日夜中に働くわけではありません。僕の病院では日勤(8時~16時30分)と準夜勤(15時~23時30分)と夜勤(23時~8時)の3つの時間に分かれて交代で働きます。夜勤は月に6回くらいです。日勤の時は7時30分くらいには病院に来て、今日自分が受け持つ患者さんを確認します。それから、患者さんごとに用意されているカルテという入院理由や治療経過を書いてあるファイルを読んで患者さんの情報を頭に入れます。今日一日患者さんに何をしていくかは、医師の指示が書かれているファイルがあるのでそれを読んで、この人にはこの時間に薬を飲んでもらって、この人にはこの時間に体を拭いてあげて…など、1日の計画を立てていくんですよ。日勤だと3~5人の患者さんを受け持つのでどうしたらすべての受け持ち患者さんに必要な時間に必要な援助ができるかよく考えて予定をたてます。予定を立てたら後はしっかりとこなしていきます。それだけではなくて、上司に患者さんの様子に問題ないかや仕事の進み具合は順調か報告したり、一緒に働いている看護師全員で患者さんの情報共有をしたり、とても忙しく嵐のような毎日です。

患者さんの希望を全部叶えてあげられないことが多いので心苦しいです。入院している患者さんはお風呂に入れなかったり、好きなご飯が食べられなかったりと自宅にいる時よりも生活が制限されてしまいます。多くの人は、お風呂に入りたい、好きなものを好きな時に食べたいと思いますよね。でも看護師の人数が限られているので、一人の患者さんがお風呂に入るのを手伝うと他の人の検査の準備ができなかったり、ご飯を好きなように食べてしまうと検査で正しい結果が出なかったりするので、それを叶えることができないのです。病院は検査や治療を行うところなのでそうした患者さんの希望よりも、検査・治療をすることが優先されることは仕方のないこともあるのですができるだけ患者さんの希望は叶えてあげたいですね。また治療がうまくいかない患者さんに対して、何もしてあげられない場合があります。そういう時は自分の無力さを感じます。どうしても手の施しようがない場合は痛みを和らげたり、心の状態を落ち着けたりする為の施設に移動してもらう場合も多く、患者さんやご家族と中途半端な状態で別れなければいけないこともあり、とても辛いです。
僕はケアした後に患者さんに喜んでもらえたり、患者さんの病気がだんだん良くなっていくのが分かることがとても嬉しいです。例えば、患者さんから「先週より調子が良くなったよ」と言われたり、表情がなかった人が笑顔を見せてくれたり、食べ物が食べられるようになったりすると、患者さんのことですが僕も自分のことの様に嬉しいのです。自分の行動で患者さんに変化があると、間接的に自分の仕事を意味あるものだと感じられます。

実は僕は高校2年生の時には保父さん(保育園の先生)になりたかったんですよ。人の人生に関わって人の生き方や考え方に影響する仕事ってすごいなと思っていたんです。特に小さいときに関わる人はその人の性格や考え方にすごく影響があるから、保父さんとして働きたいと思っていたのです。でも調べていくと、景気の悪い時期で保父さんとして就職することが難しかったんです。そんな時にふと看護師さんのことを思い出したんです。僕は2歳から中学1年生くらいまで小児喘息を患っていて、月1回くらいは病院に行っていたので、病院を身近に感じていました。そこで医師は怖かったり、時には僕にとって嫌なことをするのですが(すべての医師が怖いわけではありませんし、苦くても私の病気を治すために必要だから薬を飲みなさいと言ってくれていたのですが、まだ小さかったので医師が怖くて嫌なことをする人に見えてしまっていたんですね。)、看護師さんはにがい薬を飲むのを手伝ってくれたりやさしかったなと。自分にとってはとても大きい存在だったんです。よく考えたら看護師は小さい子からお年寄りまでの人生の大きな節目に関わる仕事だと思い看護師を目指すようになりました。
僕は新潟県の出身で、とても自然に恵まれている環境で育ちました。大学受験をしっかりしようと思うまではとにかく体を動かして遊んでいました。冬はスキーをしたり雪合戦をしたり高いところから雪の中に飛び降りたりしていました。朝5時に起きてザリガニとりに行ったり、トンボやどじょうを捕ったりしていました。小学校も体を動かすことに力を入れている学校だったので、学校でもいつも運動していましたね。体力がつく10歳くらいまでは運動の最中に喘息の発作がでて息が苦しくて動けないこともありましたが、運動することが大好きだったので発作がおさまるとどんどん運動していました。

とにかくおもしろいと思えることをやったらいいんじゃないかと思います。大人になると一日に使える体力が限られているような気がしてきます。そして、自分の限りある体力をなるべく効率よく使いたいという発想になりがちなんです。でも、子どもの頃は興味さえあれば体力は限りなくでてくるんですね。自分の場合も喘息でうまく呼吸ができなくて、喉がヒューヒュー言っている時も遊ぶ元気は出てきました。そういう経験がない子どもたちは自分の可能性がとても大きいことを知らないで大人になってしまうように思うんですね。「僕は、私は、がんばればできる」と、自分のことを信じることができると、大人になってからも辛い時や頑張らなければならない時にそれが拠り所になります。なので、興味の持つたことはどんどんやって下さい。それを極めることが目的ではなくて「自分ってこんなにパワーあるんだ」って思えるのが大事だと思います。自分のエネルギーの出し方を体験して欲しいですね。
取材・原稿作成:熊谷・中川(取材スタッフ)