
| 生まれ |
1965年 |
| 子供の頃の夢 |
プロ野球選手 |
| クラブ活動(中学校) |
野球部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
大阪府 |
| 仕事内容 |
花や植物で目的に合う作品を作る |
| 自己紹介 |
時間も距離(きょり)も行き先も決めずにジョギングするのが好き。普段(ふだん)、車で通っている道も、歩道から見ると視線が変わって見え方変わる。落ちている空き缶(あきかん)拾ってほろう(捨てよう)と思ってゴミ箱を探しながら走るとちょっといい人になった気がする |

※このページに書いてある内容は取材日(2008年04月11日)時点のものです


僕は、花を使ったいろいろな作品をつくっています。いろんな人からいろんな仕事を頼まれるんですよ。例えば、大きな企業から「たくさんの人を集めるイベントを開催するので、そのイベントに来た人が楽しい気持ちになるような作品をつくってほしい」といわれたりします。最近ではこういうこともあったんです。ある相撲の横綱から「お世話になった行事の人が引退する。その人が裁く最後の取り組みに自分が出るから、必ず勝って花道で花を渡したい。そのための花をつくってほしい。」って。2時間近くも熱く話をしてくれたんですよ。こんな風に、花って、誰かのことを思って、飾ったり贈ったりするもんなんです。だから、つくる作品の種類や大きさはちがっても、僕の仕事は、人からそういう思いを聞いて、その思いを託されることが多いんです。

そういう思いを聞いたら、次はスタッフと話し合いながら、どんな形で実現するかを考えていきます。その話し合いでは、「こういう場所で、こういう目的で使うから、花にはこういうことが求められて……」って、大人らしくちゃんと筋道立てて話もするんですけど、でも、「オレは絶対“三角”やと思うねん!」とか、もう自分しか分からんような、けど「これしかない!」という自分のイメージを話すことも多いんです。あとは、「ここに来るまでにこんなオモロイことがあってん」とか、仕事と直接関係ないことを、休み時間の子どもみたいに話したりもしてるんです(笑)。でもね、言われたことだけを考えて、大人のアタマでマジメにつくっても、できたもんはなんかオモロナイ。感性をぶつけたり、ワイワイ雑談しながらつくった方がいい作品ができるんです。
「ジャッジ-結果」の繰り返しで花をデザイン

だいたいのプランができたら、次は、花や木、花を飾る器や素材を選びます。花や素材を見ているうちに、インスピレーションが沸いてきてプランを変更するなんてしょっちゅうです。スタッフからはよく「赤井さん、もう時間ないですよ!」と怒られてますけどね(笑)。でも、時間が許す限りはいろいろやってみる。そうやって、できるだけいいもんをつくりたいんです。花や木を切って器などに飾る実際の作業は、イベント会場など飾る場所でやることが多いですね。大きいもんは、スタッフ10名くらいと一緒につくります。主に僕は全体のバランスや色の調子などを判断して、「この枝はもう少し短くしよう」とか、スタッフに指示を出すのが役目。もちろん、自分でハサミで枝を切ったりもしますけどね。そうやって全体の調子を見て判断するうちに、プランをガラッと変えることもあります。花って生き物なんで、時間がたつにつれて、どんどん表情を変えていきますから。「ジャッジ(判断)-結果」の繰り返しなんです。その場で調子を見て判断して、また作業して、形という結果が出たら、またそれを見て判断して……。フラワーデザインの「つくる」は、そういう「つくる」なんです。
イメージ沸かないときは映画やジョギングでリセット

イメージや形が浮かばないときは、ホンマに苦労しますね。そういうときは、映画を観に行ってガーッ泣いたり(笑)、行く先を決めずにジョギングしたり。一度アタマと気持ちを空っぽにして、また考え出します。

作品ができたときは、すごい達成感を感じます。それは、イベントのシンボルとなるような大きな作品をつくったときも、小さなブーケをつくったときも同じ。どんな花も、「そこに来た人を喜ばせたい」とか「自分の思いを伝えたい」とか目的があります。それをかなえることが、僕にとって一番うれしいんです。

僕は、フラワーデザイン(僕は『装花』といってますが)をするために、生まれてきた人間だと思っています。両祖父母は花作り農家、両親は花屋をやっていたし、僕自身、花は遊び道具でした。飾るのはもちろん、噛んで味をみたりね(笑)。実家の店で使う飾りをつくったり、家に飾ってある花を勝手に変えたり。中学のときは、卒業式に胸に飾る造花がカッコ悪かったんで、自分でドーンとめちゃめちゃ大きいやつを生花でつくったんです。それ見た友だちが「カッコええな」っていうからみんなの分もつくったりしてたんですよ。だから、この仕事をするのは、僕にとって、とても自然なことなんです。

子どもの頃から決まりごとがキライでしたね!華道を習っていたんですが、先生が言うのとは全然違うものをつくったりしてました。「花瓶に逆さまに花を突っ込むとどうなるやろ?」とか(笑)。今でも、ポリシーとか「花はこう飾るべきや」みたいな、そういう決まりごとをつくらないようにしています。それが、僕のポリシーかな。

将来のこととか、あんまり心配せんでもええと思いますよ。無責任かも分からんけど(笑)、僕なんか好きなことばっかりやって、それを仕事にしていますから。それより、最近、「夢が小さくて、目標ばっかり大きい」という子が多いのが気になるなあ。逆でしょ。「夢は大きく、目標は小さく」。すぐに達成できないような大きな夢を追いかけるほうが、絶対に楽しいでしょ。で、その夢を叶えるための小さな目標を決めて叶えて、そうしたらまた次の小さな目標を決めて叶えて・・・ってやっていいたほうがいい。目標って叶うから嬉しいし、次もがんばろう、って思えるでしょ。それなのに中途半端に目標を大きくしてしまうと、叶うまでに時間がかかってしまって、疲れてしまったり、あきらめちゃったりするじゃないですか。だから「今日一日笑顔で過ごす」とかちょっとがんばれば叶う目標を決めて、それを確実に達成する。そうしたら変に疲れてしまうこともないし、自分の夢に向かってずっと前向きに進んでいけると思うんです。僕の夢ですか?花の世界で、誰もやったことがないことをいろいろやってみたい。例えば、「月に初めて花を飾った人になる」というのも、夢のひとつです。
取材・原稿作成:あしたね取材チーム