
| 生まれ |
1964年 |
| 子供の頃の夢 |
キャビンアテンダント、アイドル歌手 |
| クラブ活動(中学校) |
陸上部、バトン部、剣道部、…など10クラブ |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
大阪府 |
| 仕事内容 |
自分とは別の人格になり、演じる |
| 自己紹介 |
心の優しい人と話すのが大好き。 がんばり屋、負けず嫌い(弱きを助け、強きをくじく)。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2008年09月03日)時点のものです

テレビ、映画、舞台で、別の人になりきる仕事

女優ってどんな仕事?――人によって答えはさまざまだと思いますが、私は「テレビや映画、舞台で、自分とは別の、いろいろな人になりきる仕事」と考えています。例えば、台本に「悲しい」というセリフが書かれていても、単に悲しそうな表情で「悲しい」と言うだけではダメ。その人物が、どうして「悲しい」と声に出して言ったのか、その奥にある本当の意味を、その気持ちを、五感全部を使って感じ取ります。そして、完全にその人になりきって、しぐさや表情など全身を使ってその気持ちを表現する仕事なんですよ。
女優は、ふつうタレント事務所という会社に所属しています。そこに、テレビ番組や映画の責任者であるプロデューサーから、「作品に出てほしい」という依頼が来ます。そして、社長やマネージャーなど事務所のスタッフが、内容を詳しく聞いてから依頼を受けるかどうかを決めます。自分で決めることもできるのですが、私は、私以外の人が思う「真矢みきにやらせてみたいこと」を大切にして仕事をしているから、事務所の人に任せることが多いです。
衣装合わせ、本読み……みんなで役をつくり上げる
出演が決まったら、台本をもらってセリフを覚えます。でも、完成した台本をすぐにもらえることは少なくて、テレビの連続ドラマだと「撮影が始まっても最後までは完成してない!」なんてこともあるんですよ。それから『衣装合わせ』。演じる私、服を用意するスタイリスト、髪型とお化粧担当のヘアメイク、プロデューサーや監督、演出家の人達と一緒に、この人物はどういうキャラクターで、どんな服、アクセサリー、お化粧がふさわしいかを考え、みんなで役を作り上げていきます。そして、次は『顔合わせ・本読み』。出演する俳優が集まり、みんなで台本を読みながら役を演じてみます。それまで台本という文字でしかなかった作品が、初めて形となってフワーっと目の前に現われる瞬間です。

いよいよ本番。ひとつの場面ごとに、カメラの前で監督や演出家の指示に従って演じていきます。自分の都合で撮り直しなんてできませんので、1回1回がやり直しのきかない正に本番です。また、テレビや映画の撮影は、季節や天気、撮影場所の都合、俳優のスケジュールを優先するので、実際に放送する場面の順番通りに撮影していくことはほとんどありません。だから、一生懸命演じることはもちろん、「この話はどうなっていくか」「自分が演じる人物は、どんな風に性格や気持ちが変わっていくか」を考えた上で演じます。自分の出番を撮り終えるまで、大体テレビで3ヶ月、映画で2ヶ月は、その役と付き合うことになります。複数の作品を同じ時期に撮影することもあって、その期間はいくつもの役になりきらないといけません。忙しい時には、同じ時期に5人の人物を演じたこともあるんですよ。

いい演技をするために、台本を何度も読んで、内容を深く理解します。台本だけで理解できないことがあれば、調べ物をすることもあります。そして、その作品の内容だけではなくて、作品を見る人はどんな人なのか、監督や演出家は私の役をどんな人物と考えているか、共演者はどんな人で、何を考えて演技しようとしているか……全てを考えなくてはいけません。でも、感性やひらめき、カンもすごく大切。とっても難しいですよ。けど、やりがいはすごく大きい仕事です。

街を歩いていると「真矢みき」として声を掛けられたりします。本当に嬉しいし、すごくありがたいのだけれど、「女優としての私と、本当の私をはきちがえないようにしなきゃ」って思います。自分とは別のいろいろな人になりきる仕事だからこそ、『本当の自分』や『本当に自分のやりたいこと』をいつもしっかり持っていたいと思っています。
私は、とても大人しい子どもでした。転校が多くて、たくさんの友だちと涙の別れを何回も経験するうち、人と深く関わってもすぐにまたお別れになるんじゃないかと思って、あまり自分を出さずに、人の気持ちばかり読んでいました。そんな私だったので、転校先の中学の先生から「一人でやることは何でもよくできる。これからは、他の人と一緒になって、何かをつくり上げていくようなことに挑戦したほうが良いですよ。」と言われました。それがきっかけで、日曜日に、日本舞踊や声楽、バレエなどを習う「宝塚コドモアテネ」に通うようになったんです。

私が通った「宝塚コドモアテネ」は、宝塚音楽学校に入るために小さい頃からバレエやダンスを習っている子が多かったんです。だから、中学生になってから習い始めた私は「あなたなんか宝塚には受からないでしょ」って言われてしまって…。で、負けず嫌いな私は「何を~、絶対受かってやる!」という一心で合格にたどり着きました。そして、宝塚音楽学校の生徒と卒業生からなる宝塚歌劇団でその当時男役トップスターだった大地真央さんに出会いました。もう、本当にカッコよくて「この人みたいになりたい!」って心から思いました。大地さんを目指してお芝居するうちに、いつのまにか私の個性も出てきて、今の私があるのだと思います。
たくさんの扉を叩けばきっと見つかる

なかなか自分のやりたいことが見つからない人もいると思うんです。そういう人には、私にとっての大地さんのように、好きなことや「ああいう人になりたい!」って憧れを見つけてほしい。最初はマネをすることから始めてもいい。追いかけるうちに、きっと自分の才能や力が発揮されるようになります。そのために、たくさん扉を叩いてほしいな。スポーツをしたりテレビを見たりするうちに、自分の気持ちが反応したものをやってみる。「才能あるかな」なんて考えずに、やってみたい時にね。そうすると、きっと何かが見つかるはずですよ。
取材・原稿作成:あしたね取材チーム
ヘアメイク:田島加奈子さん
スタイリスト:佐々木敦子さん
衣装:
アクセサリー: