
| 生まれ |
1969年 |
| 子供の頃の夢 |
歯科医師 |
| クラブ活動(中学校) |
バレーボール部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
神奈川県 |
| 仕事内容 |
飛行機を点検し、お客様の安全を守る |
| 自己紹介 |
性格は几帳面。趣味はあえて言うなら旅行。休日は、子どものサッカーに付き合ったり、最近は今度ANAが世界に先駆け導入する事になっているB787の勉強をしています。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2008年11月06日)時点のものです


航空整備士の仕事は、飛行機を点検し、お客様の安全を守る仕事です。フライトの前に毎回点検する「ライン整備」はもちろん、飛行回数や飛行時間に応じて点検する「ドック整備」も行っています。飛行機の点検には多くの知識と技術が必要なので、ライン整備を担当する人、ドック整備を担当する人、エンジンが専門の人、コンポーネント(整備品)が専門の人、というようにそれぞれの専門分野の知識と技術を持った航空整備士が協力して点検・整備を行っています。また、いくつもの飛行機を整備するためのスケジュールを考える人、飛行機を製造したメーカーに問合せをする人、トラブルの原因を調べ、対策を考える人も活躍しています。私は、以前はドック整備、現在はテクニカルサポートというチームに所属して仕事をしています。

ドック整備には、一晩かけて行う「A整備」、1週間くらいかけて行う「C整備」、5年に1回くらい行う「HMV」という3種類の整備があります。私が4月まで担当していた「C整備」は幅230m、高さ42m、奥行き100mもある大きな格納庫に、飛行機を後ろ向きに入れて行います。使用期限が切れる部品やエンジンオイルを交換したり、錆びたり弱っている部品がないかを調べたり、錆び止めを塗り直したりもします。また飛行機には、万が一飛んでいる間に故障が起きた時に動く予備の装置が存在します。この装置は普段使われないので、C整備の時にはこうした装置がきちんと動くかどうかも点検します。20~30人くらいの整備士で1機の整備を行うのですが、C整備を完了するまでに毎日早番の整備士が朝7時50分から、遅番の整備士が夜11時30分まで整備を行い、5日から1週間くらいの期間がかかるんですよ。
知識や技術、資格が必要

航空整備士には様々な知識や技術、資格が必要です。例えば、飛行機の金属部分が錆びていないかを点検する場合も、目で見て膨らんでいないか確認する、叩いて音を聞いて確認する、飛行機にクラック(亀裂)がないかを点検する場合にも、目で確認する、超音波を使う、X線を使う、など様々な方法があります。こうした方法1つ1つで使う機械・技術が異なり、それらの点検を行うための様々な資格が存在します。航空整備士はこうした資格を取るために日々勉強しているのです。他にも、高所作業車やフォークリフト、クレーンを運転するための資格、有機溶剤を使う為の資格、飛行場の中で車を運転するための資格などもあるんですよ。

私が現在所属しているテクニカルサポートチームは、4つの分野のそれぞれのスペシャリストが集まった6人のチームで、救急救命士のような役割のチームです。点検・整備の際に、どうしても故障の原因が分からないこともあります。そんな時に、航空整備士からの相談に乗ったり、故障して飛ぶことが出来ない飛行機の修理に当たったりするのが私の仕事です。ですから、テクニカルサポートチームは、朝でも夜でも、平日でも休日でも、大きなトラブルが発生したときには海外の空港にだってすぐに駆けつけます。原因がなかなか分からず、複雑な部品の設計図を見ながら「何が原因なんだろう」と考え込む時もありますが、故障の原因を突き止めた時には、まるで難しいパズルを解いた後のような嬉しさがあるんですよ。

飛行機は点検が終わればお客様を乗せて飛び立つわけですから、整備が予定よりも遅れると大変です。エンジンの交換は10人くらいのチームで行うのですが、熟練したチームでは一人一人がてきぱきと自分の役割をこなし、ピタッと息が合って、短時間で作業を終えることができます。こうした時には、チームで行うスポーツを終えた時のような達成感がありますね。

航空整備士の仕事で一番大切なことは、誠実であること、うそをつかないことだと私は考えています。例えば、自分が忙しい時に、整備場の床に油がこぼれているのがたまたま目に入ったとしましょう。自分が忙しいからと言って「油には気が付かなかったことにしよう」と自分にうそをついてしまったら、どうなるでしょうか。別の人が転んで大きな事故を起こしてしまうかもしれません。航空整備士の仕事は、飛行機に乗るお客様の安全を守る仕事です。どんなに良い技術を持っていたとしても、誠実さを持っていなければお客様の安全を守ることができなくなってしまうのです。

私は大学では、理系の研究室で勉強をしていたので、そこで学んだことを活かせる仕事に就きたいと思っていました。でも、子どもの頃からずっとスポーツをやっていたので、コンピューターだけに向かう仕事よりも、体を使ってできる仕事がしたいと思ったのです。そこで、空港という最先端の技術が集まる場所で、体も使うこともできる航空整備士の仕事に就こうと思ったのです。

私は子どもの頃は運動が大好きで、少年野球とサッカーばかりしていました。小学校が終わると、特に約束をしたわけでもないのに、友達と集まって日が暮れるまで原っぱでサッカー。小学校の頃に転校をしたことがあるのですが、転校先に少年野球チームがなかったので、自分で声をかけてまわって野球チームを作ってしまったくらいです。中学校に入るとバレーボールを始めて、大学を出るまでずっと続けていたんですよ。
夢や興味から外れることも積極的に!

最近は「将来こうなりたい!」という夢を持っている人が多くて、それはとても素晴らしいことだと思います。でも、だからと言って自分の夢と関係なさそうに思えることに興味を持たないのはもったいない。自分の夢とは関係が薄くても、まずは取り組んでみることで、新しい興味が沸くかもしれません。自分の将来には、今の自分では気づかない色々な可能性があるので、自分の夢や興味から外れることでも積極的に取り組んで欲しいですね。
取材・原稿作成:あしたね取材チーム