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朝岡聡
コンサート・ソムリエ
あさおか さとし
朝岡 聡

プロフィール

生まれ 1959年
子供の頃の夢 庭師、運転士(電車) 
クラブ活動(中学校) 吹奏楽部 
働いている地域 東京都 出身地 神奈川県
仕事内容 コンサートの見どころを解説する
自己紹介 つねに新しい言葉や表現ひょうげんをしていくためには、いろんなものに興味きょうみを持って、素直すなおに感動できることが大切なんです。だから、とにかくなんにでも好奇心こうきしんを持つことを大切にしています。趣味しゅみでは、小学校からリコーダーの演奏えんそうをずっと続けています。  

※このページに書いてある内容は取材日(2008年11月12日)時点のものです

仕事人記事

おしゃべりすることだけが仕事じゃないんです

おしゃべりすることだけが仕事じゃないんです

アナウンサーはテレビ局やラジオ局などの放送局で、ニュースや天気予報よほうを読んだり、番組の司会をやったり、スポーツを中継ちゅうけいしたりしています。正しい日本語を使って、司会や朗読ろうどく、インタビューなどを行い、内容ないようを見ている人、聞いている人に伝えていく仕事です。ぼくも以前は放送局の社員として仕事をしていましたが、今は放送局を辞めてフリーアナウンサーとして様々さまざまな仕事をしています。例えば、ドコモクリエイティブキッズコンサートの司会、展覧会てんらんかいでのナレーション、舞台ぶたいやイベントの司会、そして、しゃべることだけでなく、コンサートの内容ないようを考えたり、取材に行ったり、雑誌ざっしせる原稿げんこうを書いたりと実にさまざま。フリーアナウンサーは人によってそれぞれ得意な分野があるのですが、ぼくの場合は、小学生のころからリコーダーをいたり、音楽がとても好きだったので、いつか音楽会の司会をやりたいなと思っていたら、クラシックコンサートの司会の仕事がえてきたんですよ。

いてよかった!」と思ってもらう

「聴(き)いてよかった!」と思ってもらう

初めてクラシックをく人は曲のことや楽器のことをよく知りませんよね。だから演奏えんそうの前に、その曲をつくった人はどんな人なのか、その曲はどのようにしてできたか、どんな楽器が中心で演奏えんそうされるのかを、ぼくが説明します。するとく時の気持ちが変わりますよね。「どんな曲なんだろう」とワクワクして期待がふくらみます。例えば自然をいた曲の中で、動物を射止いとめるりの様子が出てきます。このりの様子はホルンという楽器で表現ひょうげんするのですが「この曲のどこかでホルンが鳴りますよ」とヒントを出します。実際じっさい狩猟しゅりょう時代、獲物えものを見つけた時は本当にホルンを鳴らしていたそうなんです。だからホルンで表すのですよという説明をすると、みんなの想像そうぞうふくらみますし、なるほどと思いますよね。体験する前に楽しいことを想像そうぞうすると、体験した時に、すごく楽しくなるでしょう。いた後に、感動したり、楽しかったり、よく分かったり。みんなが「あぁ、よかった!」と思ってもらえるように、ぼくがおしゃべりをするんです。

イントネーションが大切

イントネーションが大切

楽しかった、良かったと思ってもらうには、おしゃべりの仕方や声の出し方、調子も大切なんです。例えば「これはとっても美しい曲です」は文字にしたら変化はありませんが、声の強弱やばし方、心のめ方で伝わり方が変わりますよね。これは専門せんもんの言葉で「イントネーション」と言います。ぼくはいつもどういうイントネーションで話したら、その音楽の楽しさ、美しさなどがうまく伝わるかを考えています。おしゃべりの仕方は音楽会の内容ないよう、会場の広さ、来ているお客さんによっても変えます。小さな劇場げきじょうでお話しするのと、何千人も入るコンサートホールでは声の出し方は変わりますよね。お客さんも大人ばかりと、子ども達がいるのとでは話し方もちがいます。みんなも家族に話すのと、友達と話すのと、先生に話すのとでは変わるでしょ。こういったおしゃべりの仕方は、コンサートが始まる前に会場を想像そうぞうしながら準備じゅんびしているんですよ。

コンサート本番をむかえるまで、準備じゅんびは約1年前から

ドコモクリエイティブキッズコンサートは、まず主催者しゅさいしゃであるNTTドコモという会社が東京フィルハーモニーオーケストラという楽団がくだん一緒いっしょにクラシックコンサートをやることを決めます。これが約1年前。その後、いつ、どこの会場でやるかを決め、コンサートに司会がいるかどうかを決めたりします。そして司会が必要ということで、ぼくに声をかけていただきました。次にコンサートのテーマをもとに、演奏えんそうする曲をNTTドコモ、楽団がくだんと司会者のぼくで決めて行きます。ぼくからもこんな曲はどうですかと提案ていあんします。約3カ月前に曲が決まり、演奏えんそうの練習に入ります。また、どんな演出えんしゅつをするか、舞台ぶたいの照明や音響おんきょうの人たちとも打合せをします。1カ月前になると、演奏えんそうとおしゃべりをどう組み合わせるか打合せをします。そして本番当日、ゲネプロという本番同様の合同練習を行い、ぼくは全体の流れを確認かくにんし、本番に向けて準備じゅんびします。この日のために約1年かけているんです。

アナウンサーは絵の額縁がくぶちのような役割やくわり

アナウンサーは絵の額縁(がくぶち)のような役割(やくわり)

テレビ番組もスポーツ中継ちゅうけいもコンサートも、アナウンサーは主役じゃないんです。コンサートだったらあくまでも音楽が主役。指揮者しきしゃやオーケストラが演奏えんそうする音楽が、お客さんに本当に喜んでもらえて「いいなぁ」と思ってもらうために、お手伝いをするのがアナウンサー。だからあんまりしゃべりすぎてもいけないですし、主役の邪魔じゃまをしないように。ちょうど絵の額縁がくぶちみたいな役割やくわり、きれいに美しく見せる役ですね。コンサートの司会やスポーツの実況じっきょう中継ちゅうけいなどの場合、生ですからやり直しはききません。だからこそ念には念を入れて準備じゅんびをして集中力を高めて、この役をつとめているんですよ。

観ている人たち、えんじている人たちの感動を感じる瞬間しゅんかん

観ている人たち、演(えん)じている人たちの感動を感じる瞬間(しゅんかん)

例えば演奏えんそうが終わった時に、お客さんが拍手はくしゅをするでしょ。その時に舞台ぶたいのそでから拍手はくしゅをしている様子や拍手はくしゅの大きさ、お客さんの顔をながめると、うれしそうな楽しそうな表情ひょうじょうをしている。オーケストラの人たちもいい演奏えんそうができたという顔をしている。それらを確認かくにんできたときが、アナウンサーにとって一番うれしい瞬間しゅんかんですね。演奏えんそうが終わった後、観ている人たちやえんじている人たちの感動が伝わってくると、役目を果たせたかな、って思えるんです。

放送委員で友達を広げた

放送委員で友達を広げた

ぼくわりと人見知りする子でした。仲良くなると、すごくおしゃべりするのですけど、仲良くなるまでに時間がかかっちゃうんです。中学校、高校と放送委員をやっていて、お昼の放送を流したりしていると、普段ふだん話をしたこともない人から話しかけられたりするんですね。自分から言い出せなくても、仲良くなるきっかけができる。これが楽しくて。このごろから、なんとなくおしゃべりする仕事を意識いしきしていたのかもしれません。放送室は特別な感じがしましたね。あそこに行って番組をつくって、放送ブースでマイクの前でしゃべるというのが、とっても素敵すてきあこがれてしまって。ここに入るとテレビやラジオと同じことができるんだと思うと、なんかすごくうれしかったことを覚えています。これがもとでぼくはアナウンサーを目指したんですよ。

いいなぁと思ったら深く調べて味わってみよう

もしあなたがアナウンサーに興味きょうみがあるのだったら、しゃべる練習をするよりも、世の中にあるいろんな物事に興味きょうみを持って毎日をごしてほしいと思います。例えば司会はいろんなことをしゃべります。そのためには新聞や雑誌ざっし、本を読んで、自分で考える。そして、いろんな言葉を自分の引き出しのなかにしまっておくことが大切なのです。それと、アナウンサーに興味きょうみがある人もない人も、今のうちから様々さまざまな仕事を見ると良いと思います。例えば何か好きなものがあるとしたら、そのものを見たり使ったりするだけではなくて、できれば作っているところまで行って、そこで働いている人の姿すがたを見てほしいです。そして、おもしろそう!好き!というものを見つけておくと、そこから芽がびてきて、将来しょうらいの仕事になることもあるし、ならなくてもそれが一生の趣味しゅみになったりします。ぼくの場合は、小学校の授業じゅぎょうのときにリコーダーに出会い、それからいままでずっと演奏えんそうを続けています。リコーダーって少し上手になると、バッハとか有名な音楽家の人の曲が演奏えんそうできたりするでしょ。それがおもしろくて。あと、人といっしょにアンサンブルをするのが楽しくて。気がついたらずっと続けていますね。いいなぁ、好きだなぁと思ったら、それを一生懸命いっしょうけんめい、深く、ずっと好きになって調べてみたり、味わってみることが大事ですよ。

取材・原稿作成:あしたね取材チーム


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