プロフィール
| 生まれ |
1942年 |
| 子供の頃の夢 |
パイロット |
| クラブ活動(中学校) |
陸上部 |
| 働いている地域 |
静岡県 |
出身地 |
大分県 |
| 仕事内容 |
家の設計をする |
| 自己紹介 |
ゴルフ 月に3回 ハンデ5 |
※このページに書いてある内容は取材日(2006年09月26日)時点のものです
仕事人記事

確かに大工さんは家を建てる人なのですが、実は家を建てるための設計図がないと、家を建てることはできないのです。家の設計の仕事は、「構造設計」「設備設計」「意匠設計」の3つに分類されます。構造設計を担当する人は地震などに強い家になるように、設備設計を担当する人は電気・水道配管配線に不備がないように、そして意匠設計を担当する人はプランからデザインを含め、工事費を考えてうまくまとめる仕事をしています。これらの仕事のことを建築設計といいます。そしてこの仕事をしているのが建築士の資格を持つ人たちです。

もし皆さんが家を建てるとしたら、どんな家がいいですか?天井が高くて、部屋が広くて、南面が大きく開放的で日当たりが良い家ができれば幸せな気分になりますね。でも、家は好き勝手に建てることは出来ません。例えば、大きな吹き抜けがあり開放的な明るい家を建てたいと思っても、それが小さい地震で倒れてしまうような弱い家だったらマズイですよね。そんなことにならないように、全ての建物には「使う人の命の安全」と「家という財産を守る」ための法律があって、いろいろなルールが定められて設計されています。それは建築基準法という法律です。法律といっても国が決めた最低の決め事なのです。だからこの取り決めより上の事をしなさい、下はだめですよ、ということなのです。このような法律と毎日にらめっこしながら最良の方法を考えているのが設計事務所の建築士の仕事なんですよ。

建築をするためのルールは時代とともに増えたり減ったりもするのですが、神戸の大地震以降は、耐震強度について大きく強化されました。最近では火災で逃げ遅れて亡くなるニュースをよく聞きます。そこで住宅の寝室にも、火が出たら煙を感知して自動で警報音が鳴る防災警報器を設置することが義務づけられ、皆さんが熟睡していても早く起きて逃げてもらうことができるようになりました。私たち設計士は、多くの決め事を絶対に守らなければならないという気持ちをしっかりと持って、ルールに沿った設計図を作るため、日々勉強会などで未だに建築士の皆さんと勉強しています。

私には工事現場の監理者としての役割もあります。工事が始まると、家の骨組みが決まった通りの本数できちんと組まれているかどうかや、図面通りの家が最終的に建てられたかどうかなど、すべての検査に立ち合います。法律に詳しい建築士が、ひとつひとつの仕事がきちんと行われているかを確認するのです。安全で正確な工事をするためにとても大切なことなんですよ。

小中学生時代を考えた時、私は将来やりたい仕事はまだ決まっていませんでした。でも、昔から絵を描くことが好きでした。建築にも興味がありましたが将来自分で独立してみようと思ったのは、その後の話で、いつの間にか高校は建築科に進んでいました。美術大学ではインテリアデザイン科でした。それ後、大阪の大手建築会社に就職し、現場監督をやりながら工事の現場での勉強をしたことが、後で設計事務所を開設して仕事をしていく上で大きなプラス材料になりました。その会社では20年計画の臨海埋め立てや火力発電所をつくるなどの、大きな建物の仕事をしていました。でも、大きな工事現場ばかりだったので、多くの人が亡くなり、人の命の大切さや弱さを思い知った時期でもありました。そういう経験をした後、自分の夢のための勉強も兼ねて建築設計事務所に転職し、その後念願の建築設計事務所を持つことが出来ました。

私は、私の助言も合わせてお客様の希望にあった良い建物をつくるように心がけています。お金をかけて良い物が出来るのは当たり前なので、お金をかけなくても良い物をつくることにやりがいや楽しさを感じます。建物が完成した時は、お客さんの笑顔とともに、いつも満足感でいっぱいになります。失敗は許されない仕事ですが、時にはもう少し派手だった方が良かったかな、などと感じることもあります。そういう時は、次に生かそうと思うようにしています。何十年という長い間、設計したビル・お店・住宅が自分のした仕事として形に残る、という魅力がこの仕事にはあります。他府県に出向いた時に、まだ自分がつくった建物があったら、その時のことを懐かしく何度も思い出します。そして、それはとても人に喜ばれる仕事でもあり、多くの人たちと出逢うことのできる仕事なので、私は本当に恵まれていることだと思っています。
私は子どもの頃、計算が嫌いでした。でも、今の仕事では計算ばかりしています。私は建築がとても好きだったので、苦手な計算も努力することが出来たのかなぁと思います。絵を描くことが嫌いな人でも設計士になる人は大勢います。きっとその人たちも努力しているのだと思います。苦手な教科が無い人は素晴らしい。君だよ、建築士になろう。日本で飛んでいる飛行機から下界を見ると建物がうす汚くて墓石に見えますよ。飛行機に乗った時このことを思い出して下界を見てください。君はどう思うかな。外国には素敵な色彩、綺麗さの残る風景建物がたくさんあります。これからは君たちが大人になったら、外国に負けない綺麗な日本をつくる大きな大きな夢を見てください。将来、君を、あなたを、日本の国は必要としていますよ。
取材・原稿作成:倉田・中川(インターンスタッフ)
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