
| 生まれ |
1965年 |
| 子供の頃の夢 |
プロ野球選手 |
| クラブ活動(中学校) |
野球部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
兵庫県 |
| 仕事内容 |
野球をする・チームを監督する |
| 自己紹介 |
自分の性格は特に問題がないと思います。休日は映画を観に行ったりしています。 |

※このページに書いてある内容は取材日(2007年05月28日)時点のものです


チームの目指すことはただ1つ、チームが勝つこと。プロ野球の監督はチームを勝利に導くために、様々なことを行います。チームを作り、試合に出場する選手を決めたり、技術的な指導をすることもあります。選手が毎日前向きな気持ちで試合に挑めるように心のケアをすることも大切な仕事のひとつです。

プロ野球の監督や選手のスケジュールは、試合の日程から移動の為に乗る飛行機の時間まで、公式戦が始まる数ヶ月前から決まっています。公式戦は4月頃から始まりますが、2月にはキャンプ、3月にはオープン戦があるので、2月から10月ぐらいまでの9ヶ月間はスケジュールがほとんど決まっているのです。僕の場合は12月に何日か休みを取って、1月に自主トレーニングを行います。シーズン中の1日のスケジュールは、例えば神宮球場で試合がある場合には、朝10時くらいに起きて、お昼過ぎに球場入り。14時頃から練習が始まり、18時から試合が始まります。試合が終わると、その日の試合の反省や次の対戦相手の対策などをコーチと共に話し合います。その後トレーニングを行なってから帰宅するので、その日の試合時間にもよりますが夜の12時くらいに家に帰り、3時くらいに寝ます。試合は1週間に6試合ありますし、移動もあるので、1ヵ月のうち休める日は2日くらいしかありません。

ピッチャーは先発投手が5~6人、中継ぎや抑えの投手が6~7人。野手はポジションと打順を考えながら、4番打者、1番打者、というように軸になる選手から決めていきます。オフシーズンにはドラフトやトレードがあります。球団に所属できる選手の人数は決まっているので、入ってくる選手がいる以上、辞める選手も決めなければいけません。球団の編成の仕事をしている人と一緒に決めていくのですが、どの選手も共に戦ってきた仲間なので、とても辛い仕事です。こうやってチームの大枠が決まりますが、シーズンは7ヶ月間と長く、試合数も多いので、後は選手の調子や対戦相手を考えながら柔軟に対応していきます。守りも攻撃もどちらも大切なので、1点でも多く点を取り何とか全員でその1点を守り抜く粘り強いチームにしたいと思っています。

「チームが勝つことに貪欲」な選手が好きなんです。「俺が打てばいいんだろ」という考えの選手ばかりが集まるのは好きじゃないし、見ていても面白くない。全員が4番をやるわけではないので、チームの為に自分が犠牲になれる、という気持ちを持っていることがとても大切だし、普段から選手のことを見ていれば自然と分かるものです。例えば、カバーリングと言って「エラーが起きたときにカバーできるように、ボールが転がってくるかもしれないところに走って先回りしておく」ということをするのですが、プロの世界なのでエラーでボールが転がってくることは100回に1回も無い。それでも毎回全力でカバーリングに走っている選手は、存在感もありますし、そういう選手がチームには欠かせないなと思われるようになります。

プロ野球は毎日が勝負の世界です。誰もが毎日勝ちたいと思っていますが、対戦相手も同様に努力しているので、勝ち続けることは簡単ではありません。ファンの方の期待に応えたい、何とか勝ちたい、という想いが強ければ強いほど、負けが続いたり、結果が出ないとストレスを感じてしまいます。でも、悔しい気持ちを引きずって次の日の試合に挑んでもうまくいかないので、選手が昨日のことは忘れて前向きな気持ちで試合に臨めるように気分を上げていかなければいけない。そういった心のケアをすることも監督の大切な仕事の一つなんです。野球はチームプレーなので、こういった苦しいことも辛い練習も、分かち合うことができる。そして、試合に勝った時に共に喜ぶことができます。苦しさは半減、嬉しい気持ちは2倍3倍になります。団体競技の魅力ですね。そして僕達はプロなので、ファンとも喜び合える。試合に勝った時に、スタンドで、テレビの前で、応援してくれるファンと一体になって喜べる瞬間は格別です。

僕は仕事をする時に大切なことは「どれだけ一生懸命できるか」だと思っています。楽しむ事が大切だ、という考え方もあるけれど、ファンの期待、チームを背負う責任の大きな仕事なので、自分が仕事を楽しんでいるからいいや、ということには絶対にならない。もちろん勝負なので負ける事もあるけれど、自分の責任を果たす為に、準備をする、実行する、自分のできることをコツコツと一生懸命やる。その上で負けたのならば仕方が無い、と言えるまで精一杯やることが大切だと思っています。

子どもの頃は川で遊んだり、駐車場や空き地でゴムボールを使って野球をしたりして遊んでいました。いつも外を走り回っていたので擦り傷がたくさんあって、学校の先生から落ち着きがないと言われるくらいにワンパクでした。運動はそれなりに得意でしたので、小学3年生になってから、友達と一緒に少年野球のチームに入りました。実際になれるかどうかは別にして、やっぱり当時はプロ野球選手になりたいと思っていましたね。中学校でも高校でも野球部に入りましたが、プロ野球選手になることがとても厳しい道だと分かってきましたし、僕が通っていた高校は、夕方の5時30分に全員が下校しなければいけない学校だったので、遅くまで練習をしている学校よりも圧倒的に練習時間が短かかったんです。だから、将来プロ野球選手や監督になるなんて全く思っていませんでした。

将来の目標を立てることは良い事だと思いますが、予定通りに進まないとか、目標が無いからと言って絶望する必要は全くないと思います。僕も高校3年の時に「将来、何をしたいか?」と聞かれたんですが、真剣に考えてみても「大学を卒業してサラリーマンになる」としか思い浮かばなかったんです。もちろん、近い将来の目標を立てて一生懸命頑張っていたから今があるのだと思うけれど、当時はプロ野球の監督までやるとは全然思ってなかったんです。自分の予想している通りのことはなかなか起きない。でも、生きていれば楽しいことはいっぱいあるし、何が起こるか分からない。悩んでいてもいろんな人に話を聞けば、他人の一言で急に元気になるかもしれない。次の日からバラ色の人生が待っているかもしれない。僕もこれから先の自分に「何があるんやろうなぁ」と、とても楽しみです。
取材・原稿作成:あしたねスタッフ