プロフィール
| 生まれ |
1965年 |
| 子供の頃の夢 |
プロ野球選手 |
| クラブ活動(中学校) |
野球部 |
| 働いている地域 |
愛媛県 |
出身地 |
愛媛県 |
| 仕事内容 |
木を植える・間伐する・収穫する |
| 自己紹介 |
負けず嫌いな性格。趣味は魚釣り。休日は同僚と海釣りへ行き、ストレスを発散したり友情を深めたりしています。 |
※このページに書いてある内容は取材日(2010年10月11日)時点のものです
仕事人記事

山で苗木を植えて育てたり、育った木を切って木材市場に出荷したりする仕事のことを林業と言います。森林は大きく分けると、自然の力で形成された「天然林」と、人間が木を植えて育てた「人工林」があります。森は本来、野生動物や昆虫など様々な生き物が共存し、様々な種類の木がある自然のままの状態が一番良いのでしょうが、人の生活に木材はかかせません。天然林も人工林も木を伐採する場合には、人間が手入れをしないとなかなか元気な森になりません。私は数人の同僚を率いて、主に人工林の手入れに携わっており、雑草を刈る「下刈り」や、木を間引く「間伐」など、森の木を強く大きく育てる仕事をしています。

苗木を植えてから数年間は、草が伸びて苗木に影を作らないように、「下刈り」と言う作業をします。草がよく伸びる真夏の時期になると、毎朝8時に10人ほどで山に入り、夕方4時30分まで黙々と草を刈っていきます。山の作業と言うと、涼しくて気持ち良さそうだと思われがちですが、苗木は背が低く山には日陰がないので、夏の運動場でマラソンをするのと同じくらい体力が必要です。一人1日2リットルのお茶を凍らせて山に持ち込み、少しずつ解かしては水分を補給して作業をします。また、食事や睡眠など体調管理をしっかりしていないと、作業が続けられず仲間に迷惑をかける事になります。

木が大きく育ってきたら、木を少しずつ間引く「間伐」と言う作業をします。間伐はなぜ必要なのでしょうか?間伐をしていない森は、木と木の間隔が狭いので太陽の日差しが遮られ、昼間なのに薄暗くどんよりした感じが漂っています。こうした森の木は、お互いに根や枝を十分に張れず、葉の量が少なくなって光合成が十分にできません。そうすると、木は栄養不足でモヤシのように細く育ち、木材としての価値が低くなるだけでなく、強風や雪の重みで折れやすくなります。また、木が密集しているため森の風通しが悪く、病気や虫にも弱くなってしまいます。ですから、間伐は森の手入れをする上で欠かせません。今まで間伐をした木は捨てていたので、何十年も育てた木なのにもったいないと思っていましたが、最近は紙製飲料容器カートカンの原料として売ることができるようになり、こんな活用の仕方もあったのかと感心しています。

間伐をする際は、まず山に入って間引く木を定め、切らずに残す木を傷めないように、木を切って倒す方向を決めます。そしてチェーンソーのエンジンをふかし、いよいよ木にチェーンソーの歯を入れると、やがて木は思った通りの方向に傾きだし、最後には凄まじい音と共に倒れて、激しく地面に叩き付けられます。その瞬間は、日頃のストレスも解消されるほど強烈で気持ちが良いものです。間伐の作業をしばらく続けていくと、木が密集してどんよりした感じだった山に陽が差し込み始め、人間で言えば病気の人が治療を受けて元気になるように、たちまち明るい雰囲気に変化していき、仕事をした達成感でいっぱいになります。

丈夫な森は、きれいな空気と水を私達に与えてくれます。特に日本は山が多いので、森林の大切さを一人でも多くの方に理解して頂けることを願いながら、丈夫な森づくりを目指しています。また、木は植えてから伐採できるように成長するまで、数十年以上の年月がかかります。今年伐採する木は、私達のおじいさん達が植林し、お父さん達が育ててきた木だと思うと、大切な森を受け継いでいかなければと思い感慨深いです。今年植えた木を伐採するのは40~60年後、あなた方の中で林業に携わっている人ですね。

私は、この仕事を始める前から、森の手入れの仕事をしたいと思っていたわけではありませんでした。ある時、知人からこの仕事を紹介されたことがきっかけで、子どもの頃から体を動かすのが好きだったこともあり、今の仕事に就きました。仕事を始めてみると、覚えなければいけないことがたくさんあり、どのように体を動かせば良いかが分からないので体力的にも大変でしたが、仕事を覚えていくと自然に体が動くようになり、楽しく思えるようになりました。今は、この仕事を選んで良かったと思っています。

子どもの頃は、瀬戸内海の大三島という島で育ちました。中学校を卒業するまで、目の前には海があり、後ろを振り返ると山があるという自然に囲まれた環境で暮らしていました。小学生の頃は、夏に近所の友達と海で泳いだり山で虫を捕ったりと、遊んでばかりして過ごした日々でしたが、あまり勉強をした覚えがないにも関わらず、成績はそれなりに良かったです。今振り返ると、自然の中で遊ぶうちに色々な失敗をして、遊びですからその失敗も面白く、失敗から新しい遊びが始まったり、なぜ失敗したかを考えたり、工夫をして成功して喜んだりと、遊びながら考える習慣が身に付いたのではないでしょうか。

林業の仕事は、夏は暑く冬は凍えるほど寒い、体力的には過酷な仕事ですが、それでも私が仕事を続けていけるのは、共に働く仲間がいるからです。毎日仲間と協力し、助けられたり助けたりの繰り返しです。一緒に笑ったり悩んだりして、決して仲間を見捨てたりすることはありません。そういった仲間と一緒に作業していると、辛くても楽しく仕事ができます。だから、皆さんも友達は大切にしてください。困っている友達、悩んでいる友達がいたら助けてあげてください。助けられたり助けたりするのは、大人も子どもも同じです。そして、皆さんが大人になった時に、それが当たり前にできるような大人になってほしいと思います。
取材・原稿作成:あしたね取材チーム
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