
| 生まれ |
1969年 |
| 子供の頃の夢 |
歌手 |
| クラブ活動(中学校) |
サッカー部 |
| 働いている地域 |
神奈川県 |
出身地 |
京都府 |
| 仕事内容 |
ユースチームを監督する |
| 自己紹介 |
性格:いつも前向き |

※このページに書いてある内容は取材日(2006年04月19日)時点のものです

大人からも監督(かんとく)って何をやっているのですか?と聞かれます

僕は湘南ベルマーレのユース(高校生)チームの監督をやっています。大人のみなさんからも監督って何をやっているのですか? とよく聞かれますが、みなさんは監督とはどんな仕事だと思いますか? Jリーグのテレビ中継を見ると、監督がベンチから出て来て選手たちに指示を出したり、練習中もグラウンドで選手たちにアドバイスをしたりしているよね。でも、それだけじゃない。テレビで見えているは、ほんの一部なんです。
監督の仕事でまずやるのは、チームを知ること。選手一人一人をよく知って、チームのどこが強いところなのか、弱いところなのかを見つけます。そこからチームを強くするために、トレーニングのメニューをコーチたちと考えて、どのように練習を進めていくか計画を立てます。そして試合。勝ち負けだけじゃなく、試合でうまくいったこと、いかなかったことを整理して、またトレーニングを考える。こんな順序を繰り返して、チームと選手個人を強くしていくのです。

監督の仕事は、サッカーを教えたり試合の戦略を考えるだけではありません。人を育てることが、監督の一番大切な仕事です。選手たち一人一人が前を向いて、サッカーを一生懸命やろうと頑張れるようにすること。時にはすごく怒ったり、元気がないときには、元気を引き出すように練習内容を変えることもします。あくまでも人とのふれあいが監督の仕事なのです。選手ができないことをやろうとしたり、できるようになった時の笑顔を見るときが何よりも嬉しいです。監督の方針はそれぞれの監督によって違いますが、僕は選手たちに自由にサッカーをやれとは言いません。何の基準もないのに自由にやれ、と言われても、選手たちは何が良くて悪いのか、正しく判断できないと思うんです。まずは、僕が大事にしているやり方で選手たちにはやってもらいます。僕のやり方ができるようになって初めて、良い悪いの自分なりの判断基準を選手は持つことができる。その後は、自分なりのやり方でやればいい。壁にぶつかった時にも、自分で正しい判断をして前に進むことができるようになるんです。
日本サッカー界に貢献(こうけん)できる人間になってほしい

湘南ベルマーレでは高校生を始め、子供たちにサッカーを通じていろんな体験をしてもらい、湘南ベルマーレや日本サッカー界に貢献できる人間になってもらうことを大きな目標にしています。今年のユースチームのスローガンは「チャレンジ トゥ ザ トップ」。トップとは大会で優勝することだけじゃありません。選手一人一人が考える頂点へチャレンジしなさいという意味です。こういったスローガンを考えて決めるのも監督の仕事のひとつ。グランドやスタンドなど選手から見える場所にいる時の仕事だけではなく、練習をするためのグランドを予約したり、バスで選手たちが移動するときにはバスの手配をしたり、食事の手配などの選手から見えない仕事もとても大切で、コーチのみんなと一緒になって準備しているのです。
サッカー選手として、ずっとサッカーをすることだけを考えていましたから、99年に選手を引退後、すぐ次の何かに打ち込むことなどできませんでした。そんな時、友人にすすめられてドイツへ渡ったんですね。初めて行ったドイツは言葉もわからず、食べるものも日本と異なったものばかり。ドイツでの生活を通じて、日本にいると気づかなかったことや、自分のことがいろいろと見えてきたのです。半年後、自分のなかで「後輩たちを育てたい、教えることで自分は生きて行きたい」という強い思いが起き上がってきました。そしてコーチになるための勉強をドイツで開始しました。この時の経験は、今でもすごく役にたっています。性格も変わったと思います。目の前のできごとにすぐに熱くなって怒りがちだった僕が、怒りかたをコントロールできるようになった。ただ単純に怒るのではなくて、意味を持って怒るっていうのかな、選手たちの戦う気持ちを高めるために、とか。怒り方ひとつとっても変わることができたのです。
選手としての最後の2ヵ月を今でも後悔(こうかい)しています

からだの状態が非常に悪くなり、自分のからだでプロを続けるのは無理だと引退を決めた後の2ヶ月間を、今でも後悔しています。もちろん引退までは一生懸命やっていましたが、引退してから振り返ってみると、もしかしたら、もう少しギリギリのところまで自分を追い込んでやり切れたような気もするのです。でも、後から後悔しても遅いんですよね。だからみんなも後悔が残らないように、とにかく今を一生懸命やってほしい、と思います。
みんなに言いたいのは、まず何でもやってみる勇気、なんでもやってみるパワーを持つことがすごく大切だということ。そして失敗も恐れない気持ちを持つことも大事。僕をはじめ、大人だってみんな失敗しているからね。いま一生懸命遊んで、おもしろい!と思えることを見つけてください。それはやがて夢や目標になっていくと思います。それからやさしさを大事にしてほしい。友達と遊ぶ。家族や友達を大事にする。友達や誰かのために戦うなどなど、人とのふれあいですね。夢は考えることで生まれてくるのではなく、人と人とのふれあいのなかで、自然に生まれてくると思うんです。僕だって子供の頃、夢なんて考えるヒマもなかった。友達と遊ぶこととサッカーに一生懸命だったからね。
取材・原稿作成:あしたねスタッフ