プロフィール
| 生まれ |
1979年 |
| 子供の頃の夢 |
プロ野球選手 |
| クラブ活動(中学校) |
野球部 |
| 働いている地域 |
東京都 |
出身地 |
山口県 |
| 仕事内容 |
工事の足場を作る |
| 自己紹介 |
|
※このページに書いてある内容は取材日(2006年10月24日)時点のものです
仕事人記事

マンションや高いビルが急に白や灰色や水色のネットで覆われるのを見たことがありませんか?そのネットの中では、壁の修理をしたり、ペンキを塗り替えたり…といった改修工事が行われています。でも高いビルの外側の壁をどうやって修理するのでしょう?実は、ビルやマンションの壁を修理するための“足場”を作るのが、僕たち足場施工の仕事なのです。どんな工事でも、立つところがなければ何もできません。だから、工事の一番初めに現場に入って足場を作り、全ての工事が終わった後に足場をはずして一番後に現場を出て行くのです。人の手が届かないような高い場所での工事には必ず僕たちの仕事が必要なんですよ。

足場は、全く何もない状態から組み立て始め、1階が終わったらその足場の上に乗って、2階の足場を作る・・・というように、自分の作ったものの上に順々に組み立てていきます。階ごとに骨組みと足場をボルトでしっかり留め、すべての足場が組み上がってから最後にネットを張って紐で縛ることで、ようやくその建物の改修工事が始められるようになるんですよ。僕は今の会社の中で「職長」という地位をまかされています。現場でどうやって足場を組み立てればよいかを最初に計画して、そのように仕事を進めていくのが職長なんです。この最初の計画で、足場を組み立てて解体するまでのスピードが決まります。初めに組み立てる骨組みがずれていると、途中から足場がはまりにくくなったりして、その後の全ての工程が遅れてしまうんですよ!自分で全てを決めて、そしてうまくいったときの達成感は最高ですね。

この仕事は自分の腕前が全てです。高い場所の足場を組み立てる時は、上で二人が待っていて、地上でクレーン車を動かしている人に大声で指示を出し、上で待っている人が足場の部品を受け取ってはめる、という作業があるのですが、この作業は良く見てうまく指示を出さないとうまく受け取れません。この指示を出して受け取る作業は普通二人一組で行うのですが、僕は一人でできるようになりました。この仕事にはセンスも必要なので、実はこれ、けっこう自慢なのです(笑)。自分の腕を上げるのに何よりも必要なのは、他の人に負けたくない、という気持ちだと思うんです。若い仲間に負けないように、常に腕を磨こうと思っています。この前は高所作業車という車の免許を取りました。高所作業車を運転することができると、やれることがさらに増えるんですね。自分の力だからこそできる!ということをこれからも増やしていきたいですね。

僕は朝5時半に起きて、6時半には会社に集合して現場へ向かい、夕方5時まで力仕事が続きます。そして外の仕事であるため、夏や冬の寒さは本当にきついです。体力的につらいことはありますね。その上とても高い場所で仕事をするため、命の危険も伴います。僕もベルトがポールにひっかかってしまい、そのポールを軸にして宙をくるっと回ってしまったことがあります。回っている間は体が足場の外に出ていたんですよ(笑)。あのときの足場は10m以上の高さだったので…もしベルトが切れて落ちていたら大変なことになっていたと思います。最後は、自分の身は自分で守るしかありませんので、身の安全には十分に気を付けて仕事をしています。

僕は職長ですので、身の安全だけでなく周囲の安全にもかなり神経を使います。高い場所での仕事なので、特に「物を落とさない」というのは、十分に気をつけないといけないことです。道具一つでも、高いところから落ちたら凶器になり、落ちた下に人がいたら、命に関わる事故になりますので、仲間にも何度も注意をするように呼びかけます。また人が住んでいる建物の工事をしているので、建物や周りの物を汚さないように気をつけたり、住んでいる人が気づかないような危険を事前に発見する、ということも常に意識しています。
僕は山口県で山に囲まれて育ちました。小さい頃はいつも野山を走り回ってまし、夏は川でも遊んでいました。テレビがない家だったので、自然が遊び道具だったんですね。台風が来て、ひどい暴風雨の時も走り回っていました(笑)。友達と一緒に暗くなるまで遊んでいて、毎日が本当に楽しかったなあって思います。山に囲まれて育ったせいか、今でも山を見ると心が落ち着きます。日ごろの疲れやストレスが一気に癒されます。時間ができたら、山に旅行へ行きたいですね。

僕は15歳の頃から18歳まで、暴走族に入っていた時期がありました。勉強もしていなかったし、そんな過去もあったので、どんな仕事に就くことができるのか悩んでいました。東京に先輩と出てきて何をしようか困っていた時に、僕を雇って一人前の職人に育ててくれたのが、今の社長だったんです。その恩はずっと僕の心の中にあります。だから「会社の1年間の売り上げを1億円にして、社長に家を買わせてあげたい」というのが僕の目標です。今の若い仲間は、すぐに給料の良い所に転職してしまったりするけれど、育ててもらった恩を返してからにするべきだと僕は思っています。

皆さん勉強は嫌いですか?僕は勉強が大嫌いでした(笑)。でも大人になって思うのは、勉強っていうのは何をするにも最低限必要なんですね。勉強をして高校、大学、と進んでいくことで、仕事に就くときの選択肢を増やすことができるんです。これは強く言っておきたいことですね。そして勉強というのは、学校の授業だけではありません。周りの人の話や生き方から学ぶのも勉強です。僕の親は非常にしっかりした人だったんです。今思えば、子どもの頃に親に言われたことの殆どの事が正しいことだったと言えます。ただ、その時の自分にはそれが分かっていませんでした。悪いことをして迷惑をかけてしまった時期もあったけど、今の自分が真面目に働けているのは親に恵まれていたからだと思っています。本当に、親に感謝ですね。
取材・原稿作成:増田(インターンスタッフ)
鳶職(足場) のページに戻る