プロフィール
| 生まれ |
1980年 |
| 子供の頃の夢 |
プロ野球選手 |
| クラブ活動(中学校) |
野球部 |
| 働いている地域 |
神奈川県 |
出身地 |
神奈川県 |
| 仕事内容 |
野菜を仕入れ、漬物作りを仕切る |
| 自己紹介 |
考えるよりも行動するタイプ。落ち込む時もある。休日は草野球をしたり、渋谷に服を買いに行ったりして過ごす。 |
※このページに書いてある内容は取材日(2010年09月15日)時点のものです
仕事人記事

私の勤めている会社では、毎日約1万パックの漬物を製造して、関東地方のスーパーマーケットやコンビニエンスストアに出荷しています。白菜やキュウリ、キャベツ、茄子、大根、カブの浅漬けなど、全部で約30種類の漬物を作っています。浅漬けを作るには、市場で仕入れてきた野菜を一晩塩漬けにして、次の日によく洗い、調味液と一緒に機械で袋に詰めます。袋詰めされた野菜は、トラックで運ばれている間に調味液の味が染み込み、翌日スーパーに到着して売り場に並ぶ頃には美味しい浅漬けになっているというわけです。この流れの中で、私は、原料となる野菜を仕入れる仕事、工場で働くパートの方々を率いて漬物を製造する仕事、そして新しい商品を考える仕事をしています。

毎日の仕事は、朝4時に起きて、トラックで卸売市場に向かうことから始まります。市場に着くと、前日に注文しておいた野菜を受け取り、また、鮮度と値段を見極めながらさらに野菜を買い付けます。例えば長茄子であれば、皮の光り具合を見て鮮度を判断し、値段を交渉します。値段が安い時に多く仕入れたい一方で、新鮮なうちに使い切らないといけないので、適切な仕入れ量を考えなければいけません。平均すると、毎日約60ケース、トラックの荷台がいっぱいになるくらいの量を仕入れています。朝6時頃に工場に着いて、仕入れた野菜を大きな樽に入れ、樽の上に重しを載せて塩漬けにします。それから、前日塩漬けにしていた野菜を樽から出して水で洗い、今日出荷分の商品を袋詰めする準備を始めます。

朝8時にパートの方々が出勤してくると、いよいよ漬物の袋詰めが始まります。樽から出した野菜を切る人、切った野菜を1袋分の重さに量る人、量った野菜を機械に入れて袋詰めする人、袋詰めした商品の荷造りをする人などに分かれ、出荷時間に間に合うように1分間に37個という早さで製造していきます。私は袋詰めの機械を操作すると同時に、手が空いてしまう人が出ないよう、それぞれの仕事の役割を指示します。効率よく美味しい漬物を作るには全員が協力することが大切なので、皆が気持ち良く働ける雰囲気づくりにも気を配っています。こうして15時頃に製造を終え、その後もう一度市場に向かい、朝運びきれなかった野菜を市場から工場に運んで1日の仕事が終わります。

私たちが製造した漬物を食べてくださった方から、商品に対してお褒めの言葉を頂くことが何より嬉しいですね。お客様から「美味しかったよ!」と会社にお電話を頂いた時は、パートの方全員と喜びを分かち合いました。それからもう1つ、これは仕事が休みの日に、私がスーパーに買い物に行った時のことでした。漬物売り場を見ていると、売り場に来られたお客様が、並んでいる商品の中から迷いもせず私の会社の商品を手に取って行かれたのです。きっと以前に商品を買って、美味しかったのでもう1度買いに来てくださったんでしょうね。本当に嬉しかったです。

漬物の調味液には、強いこだわりを持って仕事をしています。どういった材料をどのくらい入れて調味液を作るのか。それが漬物の味を決め、どれだけ多くの方に美味しいとおっしゃって頂けるかを左右します。調味液の味は一度決めたら終わりではなく、出荷先のスーパーやコンビニの買い付け担当の方から「もっと丸みのある味にしてほしい」などの要望を頂いて、日々改善しています。また、新しい商品を考えることもあります。今取り組んでいるのは、タマネギの漬物。何度も試作を重ね、味を微妙に変えた候補を幾つか作ったり、パートの方々に試食して頂いたりもしました。そして最後は、「この味にしよう」と自分の舌を信じて決めなくてはいけないのです。

小学生の時は少年野球チームに入り、試合や練習に夢中で取り組んでいました。ポジションはピッチャーで、県大会にも出場するなど、地元では負けなしの強さでした。一方で、ペン習字や水泳・英会話と、たくさんの習い事をしていました。忙しい毎日でしたが、仕事をする上ではやはり教養は必要になりますし、今では多くの習い事をさせてくれた両親に感謝しています。また当時は、家でも学校でもたくさんイタズラをしていたので、よく両親や学校の先生に怒られていたことを覚えています。私は4人兄弟の末っ子ですが、きっと私が一番手の掛かる子どもだったに違いありませんね(笑)。

中学校・高校でも野球を続け、プロ選手を夢見ていましたが、高校の途中で引退を決意。高校を卒業した後、将来の進路を決めあぐねていたので、今私が働いている会社でもある、父が創業した漬物製造会社で1年間アルバイトをしました。その後、そのまま社員として会社に入ろうと決めたところ、先に会社で働いていた兄から、他の漬物製造会社で修行することを勧められました。実はこの修行で、私は仕事や社会の厳しさを学びました。父の創業した会社とは違い、見ず知らずの人ばかりの修行先では、困っても誰も助けてくれません。そんな中で苦労をしながら、次第に、分からないことを積極的に教わりに行くなど、自ら積極的に行動するようになりました。その後、この会社に戻ってからもずっと懸命に働いてきたので、今では兄も、私を「弟」としてだけでなく「仕事仲間」としても見てくれていると思います。

皆さんには、一生懸命何かに取り組む力を身に付けてほしいと思います。勉強をして色々な知識を学ぶことはもちろん大切です。しかし、将来仕事をする時、目の前のことから逃げない、根性を持ってやり抜くということができなければ、せっかく知識があっても十分に活かすことができません。例えば部活に入り、仲間と一緒に目標に向かって頑張ることは、とても良い経験になると思います。大人になった時「あの時こうしておけば良かった」と悔いが残らないように、今と言う時間を大切に過ごしてください。努力を惜しまず頑張れば、結果はいつか必ずついてくると思いますよ。
取材・原稿作成:横浜銀行、あしたね取材チーム
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