プロフィール
| 生まれ |
1981年 |
| 子供の頃の夢 |
警察官 |
| クラブ活動(中学校) |
剣道部 |
| 働いている地域 |
愛媛県 |
出身地 |
茨城県 |
| 仕事内容 |
ご先祖様の供養をし、剣道を教える |
| 自己紹介 |
剣道を教えています。休みの日には買い物によく行きます。 |
※このページに書いてある内容は取材日(2009年07月28日)時点のものです
仕事人記事

私のお寺は禅宗の中の臨済宗 妙心寺派です。仏教にはたくさんの宗派があり、それぞれの宗派で何に重点をおいて学ぶかというところが違いますが、妙心寺派は座禅(姿勢・呼吸・心を整えて集中すること)を大事にしています。私はお寺の仕事とお寺が運営している保育園の仕事をしています。お寺の仕事とは、まず葬式・法事などの時にご先祖様の供養をすることです。またお寺は布教活動の場であり、集会の場であり、自分の修行の場です。禅宗の僧侶は、掃除・勤行(お経を読むこと)・学問を大切にしています。掃除は修行の一つですし、なんといっても掃除で心が洗われます。達成感もあります。毎日の積み重ねが大切ですね。勤行では、まず自分のためにお経を読み、その次に他の人の幸せを願って読みます。写経をすることで、感じ取って体を清めています。学問というと難しいですが、人間を形作るための知恵だと思って下さい。さらに、墓地管理の仕事があります。お盆になればお花を入れ、掃除をします。この他にも、布教活動として法話や講演をしたり、相談を受けたり、保育園が終わった後に子どもたちに剣道を教えることもしています。

僧侶になるための修行中、生活するための空間は一人一畳しか与えられません。起床は、夏は朝3時で冬は朝4時です。私たちは一年中、裸足です。顔を洗った後、朝のお勤めがあります。お勤めとはお経を読むことです。みなさんは精進料理を食べたことがありますか?精進料理とは、肉類・魚介類を使わないで穀類・豆類・野菜だけで工夫して作る料理です。私たちが修行でいただく精進料理は、麦ご飯とみそ汁と野菜とお漬物です。修行中の2年間で大切なことは座禅で、朝と晩に2時間ずつ座ります。そして掃除をします。掃除道具は雑巾と竹ぼうきで、草を手で一本一本ていねいに抜きます。月に数回、お経を唱えながら家の前に立って食物を受ける、托鉢という修行もあります。学問も大切なことですので、仏教の教えや歴史などの勉強もしています。

私の一日は、朝6時に起床して朝食をとって、お勤めをすることから始まります。それから保育園に行きます。夜は毎日、剣道を教えています。夜、帰ってから翌日の準備をします。法事は土日が多いので、決まった休みはありません。8月のお盆と9月のお彼岸は一番忙しい時期です。お盆の1週間の間に、前の1年間で亡くなった方のお家を訪問しています。お寺に来られる方の顔と名前を覚えるのが大変です。毎日会っていれば簡単に覚えられると思うんですが・・・。お経は修行中に繰り返し読んでいたので苦労はありませんでした。規律はそんなに厳しくありませんが、「悪いことはしない」という当たり前のことを当たり前にすることが大切です。

剣道の教室にいる小さい子どもからお寺に来られるお年寄りの方まで色々な年代の方と顔見知りになり、色々な話を聞けることが、この仕事の魅力だと思います。子どもの考えていることが分かったり、お年寄りの方から昔の地理や戦争の話を聞けたり・・・。年代によっての考え方の違いや物事の受け取り方の違いなど興味深いことを話し合えることが楽しいです。また、小さい時からやっている剣道を教えられるということは、自分の特技を生かせることができているので、良かったと思っています。

生活の中で心がけていることがあります。禅宗の中にある『八正道』という生き方です。①言葉を正しく使う ②正しく行動する ③正しい生活態度④正しく見る ⑤正しい考え方をする ⑥正しく思う ⑦瞑想(心を集中させること) ⑧努力をする。当たり前のことのようですが、実際にやるとなると難しいことばかりです。「正しい言葉」とは、素直な心で相手の気持ちになって語ることです。「正しく見る」とは外見ではなく、心を見るということです。正しい判断や正しい見方をするように心がけています。『売り言葉に買い言葉』という言葉がありますが、相手を傷つけると必ず自分に返ってきますので、話す時にはよく考えて話すようにしています。

就職する時、サラリーマンではない職業に就きたいと思っていました。この仕事に就くと決めた時は、父親に強く反対されましたが、説得して、何も知らない状態で修行に行きました。2年間の修行はとても厳しかったのですが、お寺の看板を背負っているという責任を感じて強い決心をして行きましたので、逃げたいと思ったことはありません。それに子どもたちに剣道を教えられるというのは魅力的でした。住職になるためには、お寺に弟子入りをして、得度式(仏門に入るための儀式)をして、修行を積んだ後、自分のお寺に帰ってくることが必要です。定年がないので、元気であればいつまでもできますよ。

子どもの頃は、元気で明るい子どもだとよく言われていました。体を動かすことが大好きで、小さい頃から剣道をしていました。道場が実家の斜め前にあったので、毎日ずっと寝ていても竹刀の音が聞こえていました。その時は、将来警察官になって、剣道をやりたいなと思っていました。自分がお坊さんになるとは全く思ってもいませんでした。大学を卒業して、別の仕事で働き始めた後で、この仕事に就くことを考えました。転職する時にはとても悩みましたね。

社会勉強はとても大切です。仕事に限らず、色々なことを経験して、苦労や楽しさを学んで欲しいです。「なぜ、塾に行けるのか。なぜ、楽しく生きていられるのか。なぜ、ご飯が食べられるのか。」当たり前のことを当たり前のことだと思わないで、今いる自分に感謝して欲しいと思います。そうやって考えるとご両親や、周りの人がいてくれるから生活できているということに気づきます。常に感謝の気持ちを忘れないようにして下さい。
取材・原稿作成:西条市産業振興課 加藤
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